鹿追、日本ジオパークに新規加盟 認定の朗報届く
【鹿追】日本ジオパーク委員会(JGC)は16日、認定審査会議を開き、保留扱いとなっていた「とかち鹿追ジオパーク」の日本ジオパークネットワーク(JGN)への新規加盟を認めることを決めた。管内の地域が日本ジオパークに認定されるのは初めて。役場内に推進室を設けるなど、課題として指摘されていた運営体制の改善などが評価された。
9月24日に開かれた認定審査では、火山活動としばれを柱としたテーマや、学校教育での独自の「新地球学」の取り組み、プロガイドの存在が評価されたものの、推進・運営体制や然別湖周辺とそれ以外の地域とのジオパークとしてのつながりが不十分として、認定が保留とされていた。
このため同ジオパーク推進協議会(会長・吉田弘志町長)が改善策を練ってきた。町は今月1日付で役場の町長部局に同協議会の事務局機能を持つ「ジオパーク推進室」を設置し、専任職員を配置。新たなホームページも立ち上げた他、然別エリアと鹿追エリアを結ぶ新たなジオストーリーの可能性も示した。
今月6日に吉田町長と推進室長がJGC事務局を訪問して改善計画を提出。16日の認定審査会議では、「ジオパークとして今後発展しうる体制と内容を備えた」として新規加盟が認められた。これにより日本ジオパークは27地域となり、国内6カ所の世界ジオパークを含め、JGN加盟地域は33地域(道内5地域)となった。
町役場には16日午後5時15分すぎ、JGC事務局の渡辺真人氏から審査結果を伝える電話が入った。「ありがとうございます」と答えた吉田町長は、前回保留で気をもんだだけに、ほっとした表情を見せた。結果が役場内に伝わると、職員や駆けつけた町議会議員らから拍手が起きた。セレモニーなどは行われなかったが、防災無線を使って町民に知らされた。
集まった推進協議会員や職員らを前に、吉田町長は「晴れて認定となったが、課題として指摘された点を含めてこの後の取り組みが重要になる。ジオを活用し、自然と人が調和した町づくり、活性化を実現させたい」とあいさつ。協議会副会長の三井福成町商工会長の発声で牛乳で乾杯して認定を祝った。
(古川雄介)
<日本ジオパーク>
地球の活動を知ることができる地形や地質を保存し、教育や観光に活用する一種の自然公園。日本ジオパーク委員会の審査で認定を受け、日本ジオパークネットワークの会員となることで名乗ることができる。道内には世界ジオパークの洞爺湖有珠山(胆振管内洞爺湖町)の他、白滝(オホーツク管内遠軽町)、アポイ岳(日高管内様似町)、三笠(三笠市)がある。