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更新後草地におけるチモシーの維持対策

道総研酪農試験場 草地研究部 飼料生産技術グループ

1.試験のねらい
 道内の草地は競合力の強いリードカナリーグラス(RCG)等の地下茎型イネ科雑草の侵入により草種構成が悪化し、生産性の低下が問題となっている。しかし、これらの雑草を抑制しながら、チモシー(TY)を長期間維持するために有効な草地管理法は明らかにされていない。そこで、維持段階の草地管理に関する各種作業の方法がTY の衰退程度に及ぼす影響を明らかにし、TY 主体採草地を長期間維持し得る草地管理法を明らかにする。

2.試験の方法
1)生産者の更新後草地(釧路・根室管内の火山性土)における播種牧草の残存程度と各種圃場管理との関係について調査し衰退要因を解析する。聞き取り、冠部被度(被度)など調査。
2)各種管理作業の実施方法がTY 維持に及ぼす影響を検討する。刈高・刈取時期(RCG 混播条件)、スラリー施用量(実規模A 圃場、実規模B 圃場)、土壌pH(RCG 混播条件)について、各番草の草種割合、被度などを調査。

3.成果の概要
1)TY 被度とふん尿処理物施用回数には負の相関が、同施用量には弱い負の相関があり、地下茎型イネ科草被度と同施用回数、同施用量には弱い正の相関がある(表1)。TY 低被度圃場は同施用回数および同施用量が多い(表1)。
2) 草地の窒素必要量に対する化学肥料とふん尿処理物による窒素施用量の超過量は、マメ科牧草被度との間に負の相関があり、地下茎型イネ科草被度はマメ科牧草およびTY 被度と負の相関がある(表2)。
3)更新後5年目草地で早生品種は2番草の草種割合と被度で、中生品種は被度で、刈高10cm、15cm に対し同5cm はTY が低く、RCG が高い(表3)。早生品種は1番草の出穂期刈に対し出穂始刈で、中生は出穂始刈に対し穂孕期刈で、2番草のTY 割合、被度が低く、RCG 割合、被度が高い(表3)。以上より、連年同一の刈取条件でTY 維持を図るためには、刈高10cm 程度、1番草刈取りは出穂期を目標とすることが推奨される。
4)スラリー標準区に対し同2倍区、3倍区は、マメ科牧草被度が低下し、地下茎型イネ科草および広葉雑草被度が高まる(表4)。TY 維持を図るためには、化学肥料とスラリーからの施用養分量が草地の必要養分量を超えないことが重要である。
5)土壌pH5.7~6.2の範囲では各番草のTY、RCG 割合、TY、RCG 被度に有意差は認められなかったことから、土壌pH は基準値内であれば草種構成に及ぼす影響は小さい。

4.留意点
1)スラリー等の有機物と化学肥料の施肥量は、北海道施肥ガイド2020に準拠し、マメ科牧草率と土壌診断により求められる必要養分量を上限とすることを基本とする。
2)1番草の早刈りは平成3年度指導参考事項「TY 基幹草地の早刈りによる植生変化とその対策」に示される管理方法で行うことが出来る。
3)本成績は火山性土で行われた結果であり、粘土分が多い土壌でのタイヤ踏付けによるち密度の影響は評価されていない。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研酪農試験場 草地研究部 飼料生産技術グループ 有田敬俊
電話 0153-72-2843 FAX 0153-73-5329
E-mail arita-takatoshi@hro.or.jp

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