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道産地鶏の販売拡大を目指して~北海地鶏IIIの生産性と利用性の向上~

道総研畜産試験場 畜産研究部 中小家畜グループ

1.試験のねらい
 北海地鶏IIIは、平成30年度に北海地鶏IIからリニューアルし、令和2年度から本格生産を開始した。需要をさらに高めるためには、低コスト化と販売競争力の強化が必要である。そこで、北海地鶏IIIに適した飼料給与法により生産性の向上を図ると共に、地鶏肉の肉質特性に応じた加工品例や、利用促進に求められる販売条件を提示し、地鶏肉の利用性の向上を図る。

2.試験の方法
1)北海地鶏IIIに適した飼料設計(粗タンパク質(以下、CP)と代謝エネルギー(以下、ME)、およびCP含量に対するME 含量の比(以下、C/P 比))をステージ別の飼養試験で検討する。
2)1)の結果と生産現場での利用性とコストを考慮した飼料設計(改善区)の発育性、産肉性、肉質、および飼料費を、従来から普及している飼料体系(慣行区)と比較する。
3)発育の劣る鶏(小鶏)を、肥育期に別飼いした場合の発育回復効果を検討する。
4)ふ化直後の雛に対する餌付けの開始時期と回数が発育に及ぼす影響を検討する。
5)北海地鶏IIIの肉質特性と、それらを活かした加工品例を提示する。
6)北海地鶏肉の購入時に求められる条件を調査し、現状と比較する。

3.成果の概要
1)肥育前期ではME の利用効率が最も高いC/P 比は170程度と推定され(図1)、肥育後期ではME 摂取量の増加に伴い増体量が増加した。これらのことから、肥育前期飼料のME 含量とC/P 比を高め、肥育全期間で飼料中CP18~19%、ME3,200kcal/kg 程度が適当である。
2)場内群では、改善区の発育性、産肉性、および肉質は慣行区と同等で、飼料費は慣行区より6.7%(雄7.4%、雌6.0%)低減し(表1)、現地実証群の飼料購入費は改善区が慣行区より3.9% 低減した。
3)規格外の一因となる小鶏を肥育期に別飼いしてもその後の発育は回復せず、発育不良に起因する小鶏の低減には28日齢までの発育改善が重要と考えられる。
4)餌付けの早期多回給与は肥育開始28日齢における標準体重以下の雛割合を慣行区よりも低減させ、4月ふ化では増体量を有意に増加させたことから、発育改善に有効と考えられる(表2)。5)北海地鶏IIIの食味の歯ごたえやうま味の強さに関連する破断応力値やイノシン酸含量、および機能性成分含量はブロイラーより優れ、他府県産地鶏と同等である(図2)。試作した加工品のコンフィと鶏めしは、北海地鶏IIIの食味特性を反映しており、新たな利用法の提案に活用できる。
6)実需者は北海地鶏の食味を高く評価し、一層の認知度向上のためにPR 資料を作成した。地鶏肉利用時には、通年冷蔵で、部分肉や1kg 単位の購入を要望する割合が高く、原料供給時の1次加工は利便性を高めることが示され、現状からの改善が利用性の向上に繋がると推察される。

4.留意点
1)本成果の飼養技術は北海地鶏飼育マニュアルに、肉質等の知見はPR 資料に掲載し、生産や販売を行う事業者が活用できる。
2)飼料費を低減する飼料給与法では体脂肪が増加する可能性があるため、食鳥処理時に脂肪蓄積状況をモニタリングし、肥育日数等の実態に合わせてME 含量を調整することが望ましい。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 畜産研究部 中小家畜グループ 森井泰子
電話 0156-64-0612 FAX 0156-64-3212
E-mail morii-yasuko@hro.or.jp

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