慶愛病院が保育事業 企業主導型、今秋にも始動
施設増築し病児・病後児も 小児科に併設
医療法人社団慶愛(帯広市東3南9、丸山剛史理事長)は今秋にも、企業主導型保育と病児・病後児保育の事業を始める。慶愛病院の敷地内に、保育室と感染症・発熱外来の機能を持つ施設を建設。産科・小児科医療と連携させ、働く親と子の保育環境を整える。
企業が従業員のために設置する企業主導型保育所は、待機児童対策の一つとして2016年に事業が始まった。認可外施設だが、一定の基準を満たせば認可保育所並みの助成を国から受けられる。同法人は3月に国の内示を受けた。帯広市によると、市内には10施設が開設されているが、医療法人は珍しい。
同法人はこれまで、従業員向けの保育施設「慶愛こどもの城」を運営してきたが、今回は企業主導型を活用して範囲を拡大する。法人外の企業などと提携し0~5歳児を受け入れる。定員は32人。従業員枠のほかに、一般からの地域枠も設ける。
事業開始に向け、東3南9の慶愛病院敷地内の北側にある駐車場スペースに、コンクリート造り3階建て、延べ床面積約600平方メートルの施設を建設する。事業費は約3億円。11月の完成、利用開始を予定している。
新施設は2、3階部分を保育室として使う。1階部分は出入り口を分け、小児科の感染症・発熱外来を設ける。新型コロナウイルスなどの流行を受けて、現病院内の通常の外来と動線を分け、感染症の疑いのある患者が受け付け、診察、会計まで行えるようにする。
一方、新たに始める病児・病後児保育は、現病院の1階の一部を保育室に使う。病気で小児科を受診後、そのまま病児保育や病後児保育に子どもを預けることも可能になる。小児科に併設した病児・病後児保育室は音更町内にあるが、帯広市内では初めてとなる。
丸山理事長は「時代や医療の変化に合わせて進化していくのが慶愛のモットー。働く親とその子に対して、より一層優しい病院になり、地域貢献もできる」と話している。(安田義教)