認証宇宙食・ハンバーグ ISS搭載へ 十勝スロウフードなど開発
スペースX社船の星出さん滞在予定
十勝スロウフード(清水町、藤田惠代表)などが開発した「北海道産牛肉とミニトマトのハンバーグ」が、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されることになった。今春打ち上げ予定のスペースX社の宇宙船「クルードラゴン」に乗り込む宇宙飛行士の星出彰彦さん(52)らが半年の宇宙滞在期間中に胃袋を満たす。中小企業が宇宙日本食の認証を受けたのは全国でも珍しい。
26日午前、帯広市内の十勝産業振興センターで開いた記者会見で発表した。藤田社長やエア・ウォーター十勝食品の佐藤幸一生産部長らが出席した。
同社のハンバーグを元にレトルト技術などにたけたエア・ウォーター十勝食品(更別村)のほか、帯広地域雇用創出促進協議会、とかち財団、道中小企業家同友会とかち支部などが2018年から連携して開発を進めてきた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本人宇宙飛行士の栄養バランス向上などに寄与する食品47品目を宇宙日本食として認証。その多くは大手食品メーカーが開発したもので、ラーメンや缶詰など宇宙空間にいながら日本の味を思い出せる商品が名を連ねる。
今回開発したハンバーグは清水町産の牛肉を中心とした道産牛を使用。味覚が地上よりも薄まるとされる宇宙空間でも楽しめるよう香辛料などを多めに使ったほか、レトルトにする際の高温殺菌で味わいが変わるのを数十回の試作を重ねて納得のいく味に仕上げた。1月に認証を受けた。
藤田代表は「支えてくれた関係者に感謝の念でいっぱい」、佐藤生産部長は「苦労して完成させた製品がISSに搭載されることになりうれしい」と喜びを語った。(本田龍之介)