書院造り住居 民泊に 儀間さん夫妻 7月開業へ 足寄
「移住つながる運営に」
【足寄】町の地域おこし協力隊として昨年着任した儀間雅真さん(31)が、妻芙沙子さん(31)とともに「民泊」事業を始める。建物は築35年の書院造り。住宅街の中にひときわ異彩を放つ“隠れ家”的な宿となり「Guest House ぎまんち」と名付けた。足寄を楽しんでもらうことをコンセプトに、7月からの本格オープンを予定している。
夫妻は昨年3月に神奈川県から移り住んだ。1年が過ぎ「念願の狩猟もできて、シカは4頭の実績、冷凍庫にも入っています」と雅真さん。芙沙子さんは「町には個性的な人が多く、生活は楽しい。まだ知らないことばかり」と話す。
地域おこし協力隊の任期は3年。雅真さんは2年後について「会社勤めではなく自分たちで何かをしたい」とし「足寄に興味を持った人が移住にもつながるように」と民泊を考えた。旅館業法によらず、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に合わせ、6月15日までに道に届け出を行う。
夫妻が新たな住居とし、民泊に活用する家は西町2ノ4ノ7、国道241号から西側に入った住宅街で、斜め向かいには足寄神社がある。飲食店やスーパーにも近い。今年3月に同物件の紹介を受け「使わないともったいない」と決めた。
建物は築35年。足寄神社の総代長石川勲さんによると、同神社の本殿を建てた徳島出身の建設会社社長(宮大工)が、書院造りの住居として手掛けたという。接客と居住空間をつないで台所があり、違い棚や角柱といった武家住宅の特徴を持つ。3重の広い窓、石畳の塀にも囲まれている。延べ床面積200平方メートル。部屋は地下も含めて計7部屋あり、玄関右の接客間(洋間15畳)と和室(10畳)が民泊として使用される。
大人1泊3000円(素泊まり)。飲食の提供はないが、台所やリビングなどは使用できる。客の観光ニーズに沿った運営を行う考えで、例えば狩猟同行ツアーや、スノーシューといった冬のアクティビティー案内も視野に入れている。問い合わせは儀間さん(080・4504・8641)へ。(木村仁根)