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引っ越し難民 十勝でも

家財道具をトラックに積み込む引っ越し業者(26日午前9時10分ごろ、帯広市内で。塩原真撮影)

 新年度に向け、引っ越しがピークを迎えている。ただ、運送業界は人手不足が深刻で、十勝管内でも料金高騰に悩み、希望日に利用できない“引っ越し難民”が出ている。繁忙期は3月末から4月上旬で、業界は時期をずらした引っ越しを求めている。

業者 人手不足に悲鳴
 関係者によると、全国的なドライバーや荷役作業員の人手不足は、十勝管内でも4年ほど前から深刻化。長時間労働是正が求められる働き方改革も、人繰りに影を落とす。

 人手不足のため依頼を断るケースも多く、中には足元を見て通常の2~3倍の料金を提示する業者もいるという。作業員を集めるため賃金は上昇傾向で、その分引っ越し料金が上がるという、悪循環の側面もある。

 管内の引っ越し業者の多くは、4月上旬まで予約で埋まっている。

 現在も業者が見つからない人はいるようで、赤帽帯広は「問い合わせは続いている」とする。

 十勝地区トラック協会引越部会の木田将実部会長(合同通運社長)は「人手不足は年々厳しさを増している。仕事は受けたいが、断わらざるを得ない」と話す。

 今後も人員確保は難しいとし、年度末の引っ越し需要が高い公官庁や企業に対し、ピークをずらした実施を要請している。

家族で札幌 40万円も
 利用者の悩みは深刻だ。4月から東京に単身赴任する帯広の30代会社員男性は、数社に引っ越しを断られた上、ようやく見つかった業者に25万円を請求された。男性は「荷物は冷蔵庫や洗濯機くらいで多くはないのに。宅配便で個別に送った方が安そう」と漏らす。

 転勤が多い道職員も受難の時代を迎えている。札幌勤務となる帯広の20代道職員は「3月上旬に業者に連絡したが、予約が埋まっており、対応してもらえなかった」と話す。やむなく冷蔵庫やテーブルなど大型家具は処分し、数回に分けて自家用車で荷物を運ぶという。

 帯広から札幌に家族4人で引っ越す40代道職員は、料金の高さに驚く。4月初めの引っ越しを希望すると、提示された料金は想像を超える40万円。別の業者に連絡し、時期をずらすことで20万円台まで抑えることができた。

 この職員は「ぎりぎり職場の補助で賄うことができた。拠点都市間の引っ越しなら業者は多いだろうが、小さい町はさらに大変では」と想像する。

 道は内規で、発令の翌日から7日以内の着任を定めている。だが、厳しい引っ越し事情を考慮し、今春に限り14日以内の異動を認めている。(池谷智仁、伊藤亮太)

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