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マップで選ぶ、飼料用とうもろこしの最適品種

畜産試験場 基盤研究部 飼料環境グループ  
根釧農業試験場 研究部 飼料環境グループ  
北見農業試験場 研究部 作物育種グループ  
上川農業試験場 研究部 地域技術グループ  
中央農業試験場 農業環境部 環境保全グループ


1.試験の狙い
 飼料用とうもろこしについて、利用方法別に任意圃場における安定栽培の可能性をパソコンで閲覧できるシステムの開発を目指す。北海道統一の早晩性評価手法(RM)を開発する。

2.試験の方法
1 )気象との関係から絹糸抽出期、雌穂乾物率、総体乾物率および子実乾物率を予測する式を作成し、品種・利用方法ごとに収穫適期を予測する生育モデルを作成する。
2 )過去20年間の気象データと1)で作成した生育モデル(予測式の組み合わせ)を用いて利用方法別に収穫適期に達する日とその確率を1km四方単位で閲覧できるマップを作成する。
3 )気象平年値において収穫適期到達日を品種間で比較することにより種苗会社の異なる品種間の早晩性を統一的に比較可能な新たな指標(北海道統一RM)を作成する。

3.成果の概要
1 )絹糸抽出期と雌穂乾物率については気温データから予測式を作成し、総体乾物率および子実乾物率については雌穗乾物率からの予測式を作成した。これらを使って気象データから収穫時の乾物率を予測する生育モデルを作成した(図1)。
2 )作成した生育モデルにより利用方法毎(ホールクロップ、イアコーンおよび子実利用)に、収穫日までに目標乾物率へ到達する確率を示した「確率マップ」(図2)と、安定的(確率80%以上)に目標乾物率に到達する暦日を示した「暦日マップ」(図3)を作成した。これらはインターネット上のマップと重ね合わせて表示できる安定栽培マップ閲覧システムにより活用可能である。
3 )生育モデルを使って気象平年値での目標乾物率到達日を品種ごとに算出し、基準品種に対する差を基準品種のカタログRMに加算して、任意の品種の北海道統一RMとした(図4)。ホールクロップ利用ではRM総体、イアコーンおよび子実利用ではRM雌穂が地域の気象条件に適した品種を選択するための指標となる。

4.留意点
1)飼料用とうもろこしを無マルチ条件で利用方法別に品種選択する際の指針として活用する。
2)安定栽培マップ閲覧システムはDVD等により配布予定。3 )北海道統一RMはデータ蓄積により随時更新あるいは新規に作成し、次年度以降、北海道優良品種を販売している種苗会社のカタログに記載予定。

【用語解説】
RM:相対熟度。とうもろこしの登熟の早晩性を示す指数。現在は種苗会社毎に異なる。
イアコーン:雌穂のみを収穫してサイレージ利用。目標乾物率55%以上。
子実利用:子実のみを収穫して乾燥して利用。目標乾物率70%以上





詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 基盤研究部 飼料環境グループ 出口健三郎
電話(0156)64-0620  FAX(0156)64-6151
E-mail:deguchi-kenzaburo@hro.or.jp

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