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ディズニー映画を超える キングコング西野さん3月大樹講演

「えんとつ町のプペル」映画化へ
 お笑い芸人としてデビューし、絵本作家や俳優など多方面で活躍する、キングコング西野亮廣さんのビジネス書「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」の出版記念講演会が3月21日、大樹町生涯学習センターで開催される。西野さんは大樹町でロケット開発を進める堀江貴文さんとも親交が深く、驚異のヒットとなった絵本「えんとつ町のプペル」の2019年の映画化に向けても準備を進める。西野さんに最近の制作活動や、新年の抱負を聞いた。

お金と広告 夢のため
 -昨年10月出版の「革命のファンファーレ」はすでに13万部を超えました。この本を通じて伝えたかったことは何ですか。
 夢を持ち続けるときにクリアしないとならない問題は2つ。一つはお金の問題、二つ目は広告の問題。夢を持っている人や挑戦し続ける人の後押しをする側として、夢を持ち続けるにはこの問題があることを伝えた上で、問題の解き方を伝えたいとお金と広告のことを書きました。

 -絵本「えんとつ町のプペル」の売り上げも33万部を超えました。ヒットの理由をどう捉えていますか。
 幅広い支持を得られるように、デザインしたということです。届け方や売り方を徹底的に考え抜きました。まぐれでも何でもなく(スタッフ)全員が完全に(ヒット作品を)当てに行きました。

 -「プペル」はインターネット上で17年1月に「無料公開」され、賛否が分かれましたが、その後売り上げが伸びました。迷いはありませんでしたか。
 迷いはなかったです。読み聞かせする時にはスマホではしないので、情報を出しても、物質としての絵本は必要だから、売り上げが下がることは絶対にあり得ない。二つ目の理由は、お母さんにとって、絵本を買うことは一大イベントで、ハズすわけにはいかないので、まず本屋で立ち読みして、買う買わないを決めるから、まずはネタバレすることが大前提。お母さんが家事の合間に立ち読みができたらいいなと。そして面白かったら買ってもらえるので、無料公開をしました。

「アナ雪」に勝ちたい
 -「プペル」は映画化を控えています。どのような作品になりますか。
 「ディズニーを倒す」と掲げ、エンターテインメントを作る会社を追い抜き追い越せと、(僕やスタッフが)頑張っています。絵本では夢を語れば笑われる、行動すれば批判される、現代社会の縮図を描きました。いやが応でもディズニー映画とぶつかるけれど「アナ雪2」などの大ヒット作に当てに行って勝ちたいです。

 -「レターポット」の開発費用を集めるという事業をクラウドファンディングで立ち上げています。どのようなものでしょうか。
 大前提として、いらない物をいらないと言える世界をつくりたい。(中2の時に)阪神淡路大震災の被災地でボランティアをした時に、各地から届く千羽鶴をまずよけないと、豚汁や毛布を被災者に渡してあげることができませんでした。「千羽鶴はいらない」というと、贈った側の正義でもってたたかれてしまう。贈り物によって人を苦しめてしまう可能性があり、贈り物の本質は、かけた時間に価値があるということ。時間が可視化されれば受け取りやすい。運営から1文字10円で買って、例えば誕生日には「おめでとう」の500文字のメッセージを贈ると相手のレターポットに振り込まれます。レターは換金することも、他の友達に贈ることもできる。文字を通貨にしたら全て解決するというのがレターポットです。

挑戦することに価値
 -「革命のファンファーレ」もお金をテーマに扱っています。
 基本的に仮想通貨はダサい。価値が上がったら売る、そんなくだらないものに自分の人生を使いたくはない。お金は必要なときに必要なだけあればいい。「えんとつ町のプペル」の映画を作るのに10億円かかるとなったら、「あいつに渡しても絶対に無駄にしない」と思われることの方が価値がある。ギャンブルにもぜいたくにも興味がなく、僕にとって今一番のぜいたくは「ディズニーに挑戦させてもらうこと」。挑戦できる環境は常につくっておきたいです。

大樹ロケットに感動
 -大樹町では堀江貴文さんのロケット開発が進んでいます。普段から親交が深いですね。
 子どものころのように、あれをしたいこれをしたい、秘密基地をつくりたい、あそこへ行こうよ、そんな話をできる人が年々減ってきたので、寂しいと思っていました。そんな時に出会ったのが堀江さんたちで、小学生(のころ)みたいに、しゃべっていても楽しいです。

 -ロケットへの挑戦についてはどう思っていらっしゃいますか。
 ロケットの打ち上げの動画は感動しました。天気があまり良くなくて、上がった瞬間見えなくなったら、カメラはロケットを見ている人に合わせていました。そういう映像を見たのは初めてで、泣いている人もいるし、喜んでいる子どももいて、(自分も)こういう景色をつくりたい!と思いました。堀江さんやスタッフさん、大樹町の方々の試みはほんとすてきだなと思いました。

 -今年の目標や抱負をお願いします。
 面白くないことに時間を割かないということ。お笑いや絵本、自分がつくるサービスも、面白いな、というものをつくりたいです。まずは僕や友達が面白いことが全て。そうでなければ届ける作業が楽しくない。レターポットの開発チームの熱が超高いんです。世の中の人に、一番面白い通貨を知ってほしいです。

<にしの・あきひろ>
 1980年7月3日生まれ。兵庫県川西市出身。絵本作家、俳優。吉本総合芸能学院(NSC)22期生。1999年に梶原雄太さんとコンビ「キングコング」結成。

<えんとつ町のプペル>
 「にしのあきひろ」名義4作目の絵本。絵本制作には珍しい分業制で、4年半をかけて制作した。誰一人青い空を見たことがないえんとつ町で、主人公のゴミ人間とルビッチは煙の先にある星を見に行こうと決意する。夢を持つことができない現代社会の風潮を描いた。


興味深い話楽しみに 酒森正人大樹町長
 西野亮廣さんの講演会が当町で開催されることとなり、大変うれしく思っています。絵本作家や芸人など、マルチな才能をお持ちの西野さんですので、ファンの皆さんだけでなく町民にとっても興味深いお話が聞けることと思っています。町としても西野さんのご来町を歓迎するとともに、講演当日を楽しみにしています。

<「革命のファンファーレ 現代のお金と広告 出版記念講演会in大樹」>
 実行委員会主催。3月21日、大樹町生涯学習センターで開催。詳細は決まり次第フェイスブックなどで告知。

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