全道高体連 陸上 緒方(帯農)道高校新で連覇 女子円盤投げ 男子砲丸投げ 本間(帯農)制す
(23、24日・釧路市民陸上競技場)
最終日の24日は男女12種目を行った。午前の女子百メートル障害予選は佐藤彩香(帯柏葉1年)、萬代亜沙美(同3年)ら十勝勢4人が午後の準決勝へ進出した。
23日は9種目の決勝などを行った。女子円盤投げは緒方えりこ(帯農3年)が46メートル71の北海道高校新、大会新をマークし2連覇を果たした。男子砲丸投げは本間勝人(同2年)が15メートル70で優勝、3位には細谷浩志(同3年)が食い込んだ。女子走り幅跳びは長平奈々(帯南商3年)が5メートル42で2位、男子五千メートルは星新一(室蘭大谷2年−鹿追中出)が15分22秒24で2位となった。この日は十勝勢6人がインターハイ出場権を獲得した。
フォーム修正、復調の快投
不調が続いていた北海道の女子円盤投げのエース・緒方えりこ(帯農3年)が復活の快投を見せた。風にも乗り、奇麗な放物線を描いた4投目は、緩やかな風にも乗り、道高校記録を示す表示板付近へ。自己記録を23センチ更新するビッグスローは道高校新とともに、日本高校歴代12位。日本高校記録までは、あと2メートル23センチだ。
試技前、声を出して気合を入れながら、指を1本天に掲げた。「全国制覇したいという思いも込められている」。勝利への執念がにじみ出た。春先にフォームを変えた後、少し戸惑いスランプに陥った。今月2−4日の十勝支部予選でも42メートル台と低迷。「何で記録が出ないのか分からない」と、思わず涙することもあった。
しかし原点に返ることで、復調への足掛かりをつかんだ。昨年、初の全国タイトルを獲得した全日本ジュニア選手権(兵庫)のときの動きを、もう一度思い返した。大きな構えからターンするフォームに戻し、調子を取り戻していった。
この日は6投のうち、4投で記録を残したが、43メートル台を1回、45メートル台を2回、そして46メートル71と、いずれも全国で表彰台や優勝を狙える記録。抜群の安定感だった。風に恵まれたとはいえ、過去最高のアベレージは緒方にとっても自信となった。
春先までは今季日本高校トップを維持していたが、6月5日の熊本県大会で江島成美(熊本西3年)が48メートル53をマークし2番手に下がった。しかし「気は少し楽になった。相手は逆に重圧は感じるでしょう」と追う側の立場となり、がぜん力がわいてきたようだ。
西山修一監督は「照準を絞るのはあくまでインターハイ。残る期間で、うまく仕上げていきたい」と話す。昨年の島根大会男子円盤投げでも、帯農出身の萬亀山健治(現・順大1年)が一気に調子を上げ入賞した。円盤で4年連続で全国入賞者を育てている“西山マジック”を追い風に、緒方は決戦の地・千葉へと乗り込む。
自己記録更新全国へ夢膨らむ
○…男子砲丸投げは本間勝人(帯農2年)が自己記録を19センチ更新し制覇。「初の全道制覇なのでうれしい」と、満面に笑みを浮かべて喜んだ。残した記録はすべて15メートル50以上と、高いレベルで安定させた。最も気迫を込め、プットした最終の6投目は16メートルオーバーを見せたが、惜しくもファウル。しかしインターハイへ向け、夢が膨らむ。
細谷浩志(同3年)も自己新で3位に入り、2選手が全国へ挑む。女子の円盤投げと砲丸投げに期待が掛かる帯農勢だが、男子も負けずに本間、細谷は「全国ベスト8を目指したい」と活躍を誓った。
粘りの走りで全国切符獲得
○…男子八百メートルは、今季伸び盛りの菅原史哉(帯柏葉3年)が1分57秒15の自己ベストで4位に入り初の全国を決めた。
最後まで粘りの走りを見せたが、3位には、わずかに100分の3秒及ばず。「3位以内を狙っていた。悔しい」と苦笑いしたが、激しい競り合いの中、全国行き切符を奪い取り、表情は充実感に満ちあふれた。序盤のリラックスした走りが後半の底力を生んだ。
練習嫌いだったと言う菅原だが「インターハイまで、めちゃくちゃ頑張ります」と意欲を見せていた。
スピードに乗り準決勝に進出
○…萬代亜沙美(帯柏葉3年)は女子百メートル障害予選3組で2着に入り準決勝へ進出。「すごく緊張したけれど、まずまず」とほっとした様子。
追い風2・6メートルの中で行われ「風を受けて気持ち良くいけた」と、スピードに乗って、ハードリングもしなやかだった。
昨年のインターハイ十勝支部予選では右ひざを故障。その影響で、全道大会も不本意な走りに終わっている。雪辱に燃える今大会では「目標の15秒台を出したい」と意気込んでいる。