高木美帆歓喜の金 メダルは通算7個目 北京五輪スピードスケート
【中国・北京=北雅貴】北京五輪のスピードスケート女子1000メートルが17日、国家スピードスケート館で行われた。幕別町出身の高木美帆(27)=日体大職-日体大、帯南商高出=は1分13秒19のオリンピック新記録で優勝。個人種目で念願の初の金メダルを獲得した。通算7個目のメダルで、夏冬通じた五輪での女子選手最多数を更新した。冬季は男女含めて最も多い。
高木美は今五輪に、2006年のトリノ五輪の田畑真紀以来となる5種目でエントリー。3000メートルは6位だったが、1500メートルと500メートルで2位、団体追い抜きも2位と計3個の銀メダルを得た。この日は前回の平昌(ピョンチャン)五輪銅メダルで、今季のワールドカップでも5年ぶりに制した得意の1000メートル。「1500メートルと1000メートルは金メダルを狙う」と以前から目標にしていたこだわりの種目だった。
15組中の13組に登場し、スタートからうまくスピードに乗り加速。ラスト1周も得意の粘りを見せて踏ん張り、従来のオリンピック記録を0秒37更新した。今五輪7レース目と疲労が蓄積する中、驚異的な滑りを披露した。最終組が滑り終え優勝が確定すると、国旗を持ってウイニングラン。所々立ち止まっては丁寧に頭を下げ、手を振って感謝の気持ちを伝えた。
ナショナルチームで15年春から指導を受けているヨハン・デビットヘッドコーチ(オランダ)と抱擁を交わし涙を流した。高木美は「メダルの個数に特別な思いはない。どのメダルも特別で、チームがあるからこそ最後まで戦えた。7レース目で取れたのはサポートしてくれる人たちやコーチたちの支えのおかげ。チームの強さを証明できた」と話した。
平昌銀メダルの小平奈緒(35)=相澤病院=は10位。レース後に1カ月前に右足首を捻挫していたと公表した。