石澤志穂の目「美帆選手の滑りはメダルの色以上の感動」
1500メートルはスピードと持久力(体力)の両方を必要とし、力のペース配分が難しい種目です。スケートは長距離になればなるほど、1歩のストロークの長さがスピードにつながります。脚の長さが重要になり、体格が小さいアジア人では世界で勝つのは難しいとされていました。
今回出場した日本の3選手の8位入賞は快挙と言えます。その中でも世界記録保持者の高木美帆選手は惜しくも金メダルを逃してしまいましたが、最後の直線で脚がもつれ、バランスを崩してしまいそうになっても、前に前に脚を運ぶ姿はメダルの色以上の感動がありました。
オリンピックレコードを塗り替えて優勝したオランダのブスト選手は、ピーキングの合わせ方、レース展開などが完璧でした。彼女にしては700メートルの通過タイムがいつもより速く、後半のラップも崩れることなくまとめました。出だしのスピードが優勝への鍵となりました。
3選手はチームパシュートにも出場します。1500メートルでの好成績によって2連覇達成へ弾みをつけました。
(石澤志穂さん=バンクーバー、ソチ五輪3000メートルと5000メートル出場)