排出ルール守って スプレー缶「穴開け不要」1年 中身使い切り別袋で
十勝管内7市町村で昨年7月から、ごみ排出時のスプレー缶類の穴開けが不要になり、資源ごみとして出すようになって1年が経過した。目立ったトラブルはないものの、穴を開けているものなどが半数以上あり、不燃ごみとして誤って捨てられるといったケースも一部で見られる。ごみの受け入れ施設「くりりんセンター」(帯広市)を管理する十勝圏複合事務組合は「危険なので穴を開けず、ルールに沿った排出を」と呼び掛けている。
スプレー缶の穴開けが不要になったのは、ガス抜きの際に破裂し死亡火災事故に発展する事故が他都市であったため。先行して実施していた豊頃と浦幌の2町に続き、帯広、音更、芽室、幕別、池田、中札内、更別で昨年7月に始まった。
スプレー缶類は、資源ごみとして別の缶類と分けて透明・半透明袋で出す。同組合よると、穴の空いたスプレー缶が現在も6~7割を占めており、同組合は「以前の習慣が抜けていない人が多いのではないか」とみる。
スプレー缶に紛れて、刃物や電池、ライターなどの混入も目立つという。「危険物ということでまとめて捨てる人が多いのではないか」(同組合)と分析。目立った事故にはつながっていないものの、異物が混入していると現場の作業員に危険が及ぶこともある。
また、ガス缶類が資源ごみとして捨てられず、燃えないごみに混ざるケースも多い。ガス缶類が燃えないごみとして出されると、くりりんセンターに搬入され、資源ごみを処理する十勝リサイクルプラザに運び直す手間も生じる。
昨年7月から今年6月のスプレー缶排出量は約6・7トン。資源ごみは唯一手作業で選別が行われるだけに、排出マナーの向上が現場の作業員の危険を少しでも抑えることになる。(本田龍之介)