台風10号、観光に打撃 長期化も
道東道開通で物流平常化へ
台風10号の影響で、十勝管内のホテル業界は浸水で営業を休止したり、宿泊客のキャンセルが相次いでいる。一方、流通関係では野菜や食品の入荷に一時的に影響が出たものの、1日正午現在、平常に戻りつつある。
市内のあるホテルでは31日から4日まで予約分100件の宿泊キャンセルがあった。ホテル経営者は「災害なので仕方がないとはいえ、予想以上の数で驚いている。長引くのが心配だ」と話していた。
十勝川温泉第一ホテル豊洲亭・豆陽亭では、大浴場の一部などが水に浸かるなどしたため、31日から営業を休止している。小野彰也総支配人は「観光のピークに近い状況だったが、お客さまの安心・安全を考えた。再開は2週間をめどにしているが、はっきりは分からない」と話していた。
2日から3日間、JR帯広駅周辺で開かれる食と音楽のイベント「とかちマルシェ」は設営が進んでいる。予定通り開催するが、事務局は「十勝以外からの集客も伸びていただけに、今回の影響が心配」と話す。十勝観光連盟の鈴木新一専務は「今後も秋の産業イベントが数多く控えており、影響について情報を収集中。開催するイベントについてはホームページなどを通じ、情報を発信し応援したい」と話していた。
一方、物流関係は31日夕の国道336号(黄金道路)開通、1日の道東道開通で、台風の影響から回復しつつある。
帯広地方卸売市場によると、31日は主要国道の通行止めの影響で道外産野菜などが入荷できなかったが、1日はほぼ予定通りの集荷ができた。
青果物は冬場まで列車のコンテナを使った集荷はしておらず、同市場では「100%とは言わないまでも、ほぼ支障なく集荷できる」としている。
コンビニ業界も、1日の入荷は平常化している。「31日は十勝では入荷が1~1時間半ほど遅れたが、1日は通常通りになっている」(セコマ広報担当)。
十勝と他地域を結ぶ国道は台風10号の影響で31日はほぼ通行止めとなり、十勝は陸の孤島化していた。
ただ、道東道は1日午前8時に開通。道開発局と東日本高速道路北海道支社では、国道38号、同274号の通行止め解除になるまで、占冠インターチェンジ(IC)-音更帯広IC間を無料で通行できるようにしている。
管内の運輸業者は「高速が開通しても有料だと使いづらく、黄金道路回りになるところだった。無料措置はありがたい」と歓迎し、今後は物流平常化に向けて全力を挙げるとしている。
一方、雑誌類については、1日もまだメドが立っていない。ザ・本屋さん(帯広)では「道東道が開通し、数日以内には通常化するのでは」としている。(佐藤いづみ、長田純一)
◆TOYOTA「通れた道MAP」について
・TOYOTA独自の交通情報などで通行実績を地図上に表示-TOYOTA公式ホームページ
◆Yahoo!地図「道路通行実績情報」について
・本田技研工業のインターナビ情報を元に地図上に情報公開-Yahoo!公式ホームページ