中川農水政務官、地元で涙の謝罪 後援会支える方針も活動自粛
中川郁子衆院議員(農林水産大臣政務官)は、同僚議員との不適切な交際報道後初めて十勝入りし、29日午前、帯広市内のとかち館で開かれた十勝連合後援会(矢野征男会長)の役員会に出席した。非公開で行われた会議で出席者約90人を前に、中川氏は涙を見せながら一連の問題で謝罪した。後援会は夏の野遊会を中止するなど事業を当面自粛する。中川氏は支援者に対するおわびを続けていく意向だ。
中川氏の十勝入りは後援会の総会が開かれた3月1日以来、約2カ月ぶり。この日は後援会や自民党道11区支部(十勝)役員会など4つの会合が同会場で相次いで設けられた。
この日午前10時からの後援会役員会は、帯広や町村部の組織の三役らが集まり、非公開で行われた。出席者によると、中川氏は冒頭のあいさつで涙を見せながら経過を説明、「原点に戻って十勝のためにもう一度頑張りたい」と語った。女性の支援者離れや公私のけじめについて厳しい指摘が出た一方、これまでの仕事を評価して引き続き代議士の職責を果たしてほしいとする意見が多かった。
矢野会長は「不用意な行為で多くの人に衝撃を与えたことは謙虚に認めないといけない。役員会では(中川氏が)現職でもあり、その職をまっとうしてほしいとする意見が多かった」と説明した。
出席した支援者の女性は取材に対し「許せない気持ちだったが、一度応援した人だから会うと(怒りの)気持ちが緩んだ。これからも支えたい」と話した。
中川氏は正午すぎから、十勝地区農協政治連盟と意見交換し、農水政務官としての仕事に専念する意思を示したという。同連盟の有塚利宣会長は「(今回のことを)乗り越えて政務にしっかり精励してほしい」と述べた。午後は自身が支部長を務める同支部の役員会などに出席した。
中川氏を巡っては、3月上旬に発売された週刊誌で妻子のある衆院議員との交際が報道された。その後、体調不良で東京都内の病院に一時入院し、同月下旬から本格的に公務に復帰している。後援会内では、早期決着に向け本人の事情説明を求める声があった一方、統一地方選の影響を懸念して地元入りに難色を示していた。
(安田義教、小林祐己)