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高木美「後半をどう改善するか」女子団体追い抜き1回戦五輪新で1位通過 北京五輪スピードスケート

 【中国・北京=北雅貴】2連覇の懸かる女子団体追い抜き(チームパシュートで)で、前回金メダルのメンバーで幕別町出身の高木菜那(日本電産サンキョー-帯南商高出)、美帆(日体大職-日体大、同高出)姉妹と、佐藤綾乃(ANA、釧路管内厚岸町出身)が12日の1回戦(準々決勝)でいきなりオリンピック新記録をマーク。好発進となった。

 1組に登場。中国との同走となった。空気抵抗が大きく、体力を消耗しやすい先頭は、まずは高木美が1・75周を引っ張り、次に佐藤が1周、高木菜が1周半と引き継ぎ、最後は再び高木美が1・75周を回ってゴールした。平昌五輪での優勝タイムを0秒28更新する2分53秒61の1位で15日の準決勝に進んだ。

 今季は海外のライバルも力を付けてきている。ワールドカップはカナダが3戦全勝、平昌銀メダルのオランダは今五輪の中長距離3種目全てで金メダルを取っている。確実に決勝に進むためには1位となり、上位に入る確率の高いカナダ、オランダとの準決勝での対決を避けたかった。高木菜は「きょうはタイムよりも1位通過を絶対に取ると狙っていた。良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 戦術にも変化が出ている。体力の消耗を抑えられるがスピードは落ちる先頭交代を一度も行わず、後ろの選手が前を押す方法を取り入れるチームも。日本もこれまでに試していたが、1回戦では平昌と同様に3回の先頭交代を行った。高木菜は「どの作戦もメリット、デメリットがある。転倒や距離が近過ぎてぶつかるリスクもある。最終的に自分たちが一番自信を持っている作戦で挑んだ」と振り返った。狙い通り準決勝は、1回戦4位のROC(ロシア・オリンピック委員会)との対戦が決まった。

 存在感を見せたが課題も残った。カナダとオランダより最後のラップタイムが下回った。高木美は「後半をどう改善するか。チーム全体で話し合って詰めていきたい」と冷静に話した。

 4年前と比較して、この日はリザーブに回った押切美沙紀(富士急-駒大苫小牧高、中札内中出)を含めた日本チームの4人の個々の地力は確実に向上した。それでもカナダとはわずか0秒36差。3秒65の差をつけたオランダもかえって不気味だ。最終日は準決勝を勝ち上がれば決勝との2レース。佐藤は「全員の100%以上の力が必ず必要になる。前を滑る選手のフォローがかなり大事になってくる」と気を引き締めた。

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