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「一番良いレース」も同走選手と接触で失速 8位の高木菜那 北京五輪スピードスケート

 【中国・北京=北雅貴】「最後までしっかりと自分の力を出し切って滑りたかった。世界のトップ選手とオリンピックの舞台で戦ってどうだったのか。後悔が残る」。高木菜那は悔しさをにじませた。

 前半から積極的に攻め、後半も粘りを見せていた。動きは良かった。最後の1周の第1カーブを抜けたバックストレート。同走の中国選手と並ぶような形に。クロッシングゾーン(交差区域)でアウトレーンの高木菜に優先権があったが、同走選手も引かなかった。結局、「相手と接触してかなり失速した。何で譲ってくれなかったのかなと思う。オリンピックで結果を残したい気持ちも分かるけど、アウトが優先なのはしっかりとやってほしかった。(今までの五輪の個人種目で)一番良いレースができていたので残念」と話した。

 それでも最後のラップタイムは、北京と同じ低地リンクのエムウェーブ(長野)で昨年末に行われた代表選手選考競技会の31秒71を上回る31秒65で踏ん張った。3位とは0秒52差だった。

 「一番得意としている種目でオリンピックで戦える」喜びを胸に、北京に臨んでいた。ソチで1500メートルは32位に終わった。膝の痛みに苦しみながら戦った前回の平昌では同種目での出場はかなわず、5000メートルで12位。ただ、団体追い抜きとパシュートで2つの金メダルを獲得し「燃え尽きた感じがあった」。現役を続けるか迷ったこともあったが、個人種目へのこだわりは残った。「自分がどれだけ速くなれるか。やっぱり個人種目で戦いたいと思うのがスピードスケーター」。目の前の1年1年に集中しながら、昨季に北京への思いを固めた。

 今季はワールドカップで2位に入るなど力を付けて表彰台を狙える位置に付けていた。この日の悔しさを糧に、連覇の懸かる団体追い抜きとマススタートに向かう。「パシュートまでに気持ちを一度切り替えて、集中してトレーニングに励む」と話した。

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