十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ

4年ぶり29回目の優勝を果たして喜ぶ明大の選手たち。前列右から3人目が梶原聡人主将で、その真後ろが大椋舞人

 【釧路】第87回日本学生氷上競技選手権大会(日本学生氷上競技連盟など主催)最終日は9日、日本製紙アイスアリーナと柳町スピードスケート場で競技を行った。アイスホッケー決勝は、梶原聡人主将(4年、清水高出)ら十勝出身の7選手所属の明大が、東洋大に3-2で競り勝ち、4年ぶり29回目の頂点に立った。明大は春の関東大学選手権、秋の関東大学リーグも制しており3冠。MVPに梶原主将、得点王とベストFWに明大の大椋舞人(3年、白樺学園高出)と、東洋大の今野友尋(同、清水高出)が選ばれた。スピードスケートの学校対抗は男子が法大、女子は日体大が優勝。スピード、フィギュア、アイスホッケーの3種目の合計で争う学校対抗総合では、男子は法大が2年ぶり5回目、女子は日体大と中京大が同点優勝した。日体大は3連覇、中京大は初制覇。(北雅貴)

 明大は大椋舞人が先制ゴールを挙げ、第2ピリオドには桂川涼(1年、白樺学園高出)が決勝点となる貴重なゴールをたたき込んだ。大椋と川村一希(2年、清水高出)が各1アシスト。東洋大も人里茂樹(同、白樺学園高出)のアシストを今村健太朗(3年、同高出)がゴールを決め、今野友尋も1アシストを記録するなど、十勝関係選手が躍動した。

MVPに輝いた明大の梶原聡人主将(4年、清水高出)

3冠「達成感いっぱい」 梶原
 「大学最後の大会を優勝で締めくくれた。本当にうれしい」。最終ピリオド(P)の東洋大の激しい攻めを無失点でしのいでつかんだ栄冠に、梶原聡人主将はほっとした表情を見せた。

 ずっと目標にしていた20年ぶりの年間3冠が懸かった決勝は、一進一退の好ゲームに。今野友尋や人里茂樹らが鋭いシュートを放つ東洋大に対し、GKを中心とした堅い守りで対抗。大椋舞人や川村一希ら明大の持ち味の攻撃力も発揮した。梶原主将は「東洋はスピードがあり、1対1も強くて苦しかったが、全員の気持ちが守りに入らなかったのが勝因」と胸を張った。自身も第2セットのDFとして、177センチ、88キロの体を生かした気迫あるプレーで攻守に奮闘し、チームを鼓舞した。

 帯広市出身。小学生から始めたホッケーで、昨年初めて主将を任された。「正直驚いたが、自分のことよりもチームのために動くことを意識した。皆から好かれるように、仲の良いチームになるよう心掛けた」と振り返った。藤井匡智監督は「優し過ぎると全体がまとまらなくなる。仲間に厳しいタイプではないが真面目で、練習も先頭に立ち、うまく統率していた」と評価した。

 試合後は氷上で輪になり、皆で校歌を歌って勝利の余韻に浸った。「達成感でいっぱい。同期、後輩、スタッフ、家族、清水高の高橋仙人(のりと)監督のおかげ」と感謝の言葉を口にした。卒業後の進路は未定で、アジアリーグでのプレーを希望している。

小野田拓人

大学No.1GK 3決で実力発揮 清水高出の中大・小野田
 大学ナンバーワンGKと評価が高く、アジアリーグの王子入りが決まっている中大の小野田拓人(4年、清水高出)が、3位決定戦で実力を見せた。

 ボードに当たって跳ね返ったパックをシュートされてゴールを許すなど、第1ピリオドの早い時間帯でいきなり2失点。2年ぶりの優勝を狙っていたチームは前日の準決勝で、明大に5-7で敗れて意気消沈。「この仲間での最後の試合。気持ちを切り替えて臨んだつもりだったが…。流れを悪くして皆に迷惑を掛けた。まだまだ甘い」と苦笑いした。

 ただ、その後は安定したセービングを披露し残り49秒でお役御免になるまで無失点に。強烈なシュートや、浮き球をキャッチし、リバウンドコントロールも正確だった。年代別日本代表やユニバーシアードなど国際大会での経験も豊富。「王子でも先発GKの座を取れるよう1年目から頑張りたい」と意欲を見せた。

【東洋大-明大】第1ピリオド9分、明大・大椋(左)がシュートを決め先制点を挙げる=日本製紙アイスアリーナ(エムアイプランニング・田村直子)

技ありの先制 状況判断光る 明大・大椋
 大椋舞人が1人少ないキルプレーで先制ゴールを奪い、チームを勇気付けた。バランスを崩していた相手GKを冷静に見て、股間を抜いて決めた。

 第1セットのFWでセンターを任されている。得点だけでなく、周囲を生かすゲームメークや守備の役割も求められる。「自分の気持ちを抑え、落ち着いて状況判断できるようになってきた」と話した。ゲームウイニングショットにもつれ込んだ準々決勝の法大戦で1ゴール、中大との準決勝で2得点と大事な試合で力を発揮した。

 白樺学園高時には1年でインターハイ優勝、3年で準優勝。今月下旬に大舞台を迎える後輩たちに、「湊谷匡晃先生の指示をしっかり聞いて日本一になって」と笑顔でエールを送った。

今野友尋

来季は見返したい
準優勝の東洋大・今野友尋の話

 自分が得点して優勝を決めたかった。(準決勝で2得点1アシストするなど)大会を通じては平常心を保ち、広い視野でプレーできた。明大が喜ぶ姿は目に焼き付いている。来季は見返したい。




<スピード>
 スピードスケートは、法大が男子の2000メートルリレー(中村隼人、三輪準也=白樺学園高出、藤野裕人、阿部啓吾=帯農高出)とチームパシュート(佐藤裕斗、三輪、矢島友喜)で頂点に立ち、女子のリレーは高崎健大(千葉捺美、酒井寧子=帯南商高出、永田希絵=同高出、阿部友香)、パシュートは山梨学院大(高橋菜那=白樺学園高出、池田千奈美、原田梨央=同高出)が優勝した。

(9日)
【男子】
▽2000メートルリレー

(1)法大(中村隼人、三輪準也=白樺学園高出、藤野裕人、阿部啓吾=帯農高出)2分25秒82
(2)日大(田渕浩基=白樺学園高出、佐々木奨之=同高出、後藤卓也=帯農高出、長谷川翼=白樺学園高出)2・27・28
(3)専大(青木唯人、池田崇将=白樺学園高出、今野明星=池田高出、近藤太郎)2・29・21
(4)東洋大(上地一馬、横平幸輔、川目健、遠藤弘樹)2・29・92
(5)明大(田中穣、北澤慶記、奥村雄樹、荻野達哉=白樺学園高出)2・30・07)
(6)信州大(中尾光杜、村上匠、大澤航、居城和樹=帯南商高出)2・30・65
(7)大東大(山澤諒=池田高出、青山航大、中山航=帯三条高出、小池真生)2・38・88
※山梨学院大と日体大は失格

▽チームパシュート(団体追い抜き)
(1)法大(佐藤裕斗、三輪準也=白樺学園高出、矢島友喜)4分7秒35
(2)早大(小田卓朗、由井大陽、三村亨太)4・9・40
(3)専大(土屋良輔、小川翔也=池田高出、松井宏祐)4・9・65
(4)東洋大(黒岩宗一郎、川目健、島田隆平)4・11・98(5)信州大(一戸誠太郎、村上匠、大澤航)4・13・23
(6)日体大(菅原大祐、久保宜宗、下坂和彦=帯三条高出)4・13・89
(7)日大(磯賢汰=帯農高出、久保渉吾=池田高出、高石悠斗)4・14・86
(8)明大(竹田勇祐、千葉将志=白樺学園高出、遠國大地=帯三条高出)4・15・00
(9)大東大(山澤諒=池田高出、本間浩太、青山航大)4・16・99
(10)山梨学院大(由井翔、由井篤樹、大林昌仁)4・24・07

▽総合
(1)法大166点
(2)専大141点
(3)信州大92点
(4)東洋大84点
(5)早大81点
(6)日大77点
(7)山梨学院大58点
(8)明大56点
(9)日体大49点
(10)高崎健大9点
(11)大東大4点
(12)八戸学院大0点
(12)慶大0点
(12)帝京大0点

【女子】
▽2000メートルリレー

(1)高崎健大(千葉捺美、酒井寧子=帯南商高出、永田希絵=同高出、阿部友香)2分43秒55
(2)日体大(西端瞳、桜井萌美=白樺学園高出、黒岩美生、山根佳子=帯柏葉高出)2・43・96
=以上リンク新
(3)山梨学院大(阿部美沙希=白樺学園高出、伊藤さゆり、高山菜摘、澤田芽依=帯三条高出)2・45・45
(4)信州大(中村杏奈、按田心=帯三条高出、新井縁、太田凪砂=帯南商高出)2・45・89
(5)大東大(小原涼子、池上真以、松澤優花里、辻中杏奈)2・48・73

▽チームパシュート(団体追い抜き)
(1)山梨学院大(高橋菜那=白樺学園高出、池田千奈美、原田梨央=白樺学園高出)3・20・38
=リンク新
(2)日体大(川口愛莉=帯南商高出、山田真以=帯三条高出、水澤彩佳)3・22・50
(3)高崎健大(阿部友香、新田萌=帯農高出、酒井寧子=帯南商高出)3・23・89
(4)信州大(遠藤つぶら、太田凪砂=帯南商高出、橘井佑奈)3・26・94
(5)大東大(池上真以、竹村美咲、松澤優花里)3・27・35

▽総合
(1)日体大170点
(2)山梨学院大157点
(3)高崎健大148点
(4)信州大84点
(5)大東大77点
(6)八戸学院大10点
(7)岩手県立大8点
(8)早大4点
(9)東女体大2点
(10)慶大0点

関連写真

  • 明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ  9

    明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ 9

  • 明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ  10

    明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ 10

  • 明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ  11

    明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ 11

  • 明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ  12

    明大4年ぶりの優勝 梶原MVP 氷上インカレ 12

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  8

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 8

  • 【関西大-中央大】第3ピリオド、相手のシュートを阻止する中大・小野田=日本製紙アイスアリーナ(エムアイプランニング・田村直子)

    【関西大-中央大】第3ピリオド、相手のシュートを阻止する中大・小野田=日本製紙アイスアリーナ(エムアイプランニング・田村直子)

  • 【東洋大―明大】第1ピリオド、相手ディフェンスをかわし攻め込む明大・梶原(右)=日本製紙アイスアリーナ(エムアイプランニング・田村直子)

    【東洋大―明大】第1ピリオド、相手ディフェンスをかわし攻め込む明大・梶原(右)=日本製紙アイスアリーナ(エムアイプランニング・田村直子)

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  13

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 13

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  14

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 14

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  15

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 15

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  16

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 16

  • アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ  17

    アイスホッケー明大4年ぶり29回目V 梶原MVP 氷上インカレ 17

更新情報

「甲子園で暴れたい」聖地行き決めた白樺学園主将が闘志 夏の高校野球北北海道大会

紙面イメージ

紙面イメージ

7.23(火)の紙面

ダウンロード一括(78MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年7月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME