ばん馬も急ぐ“冬装備” 蹄鉄の取り替え作業
ばん馬もそろそろ“冬靴”に-。通年開催中の帯広競馬場では、冬場もレースに臨むばん馬の足元を支える上で欠かせない冬用蹄鉄(ていてつ)の付け替え作業が行われている。
夏用の平らな蹄鉄と違って冬用は「刻み蹄鉄」と呼ばれ、雪が積もったコースでも滑らないよう凸凹の深い溝が刻まれている。今年は9日のレースから使用が解禁され、厩舎(きゅうしゃ)で暮らす600頭前後のばん馬が随時、冬用に「履き替え」ていく。
同競馬場内には2カ所の装蹄(そうてい)所があり、このうち高橋装蹄所(高橋定裕代表)では4人の職人が作業に奮闘。炉で1000度近くに熱し、真っ赤に焼けたU字型の蹄鉄をハンマーでたたいて形を整えた後、丁寧にひづめに合わせる。オレンジ色の炎とともに白い煙が立ち上ると、驚いて声を上げるばん馬の姿もしばしば。
装蹄師の高橋代表(29)は「全てが手作業なので、より良い蹄鉄を作るためには自分たちの腕を上げていくだけ」と黙々と手を動かす。作業は降雪後に本格化し、1日に平均12頭前後の交換に追われるという。(小縣大輝)