美声で魅了 演歌少女幕別小6年・尾田夏音さん まちマイ幕別編
演歌の新星現る-と、大変な評判になっている。幕別小学校6年生の尾田夏音(なつね)さん。管内外のイベントやのど自慢大会で情感あふれる美声を披露して聴衆を魅了、複数のテレビ出演のオファーが来ている。夢はもちろん、プロの歌手だ。
札幌生まれの12歳。小学校進学時に「伸び伸びした生活を」と、母恵さん(46)の故郷・幕別に移り住んだ。
転機は4年生の秋ごろ。近くに住む祖母の前佛薫さん(78)とカラオケ店に通うようになり、祖母に続いて演歌を歌うようになった。採点マシンでは、いきなり90点台をたたき出すなど高得点を連発した。
初めての大会は昨年4月、5年生のときに出場した「サライ杯争奪カラオケ大会」(池田)。大人に交じり、憧れの歌手美空ひばりさんの「あの丘越えて」(作曲は幕別出身の万城目正氏)を情感を込めて歌い上げ、準グランプリに輝いた。以降、札幌でのイベントやおびひろ氷まつりで歌声を響かせた。
昨年7月からは、帯広市内のボーカル教室「HIS(ハッピー アイ スクリーム)」に。教室を主宰する菅野真嘉さん(35)は、音程の正確さ、ステージパフォーマンス、こぶし回しなどプロ顔負けのテクニックに衝撃を受けた。「明るく礼儀正しく、のみ込みも早い。テレビで歌う姿が楽しみ」と期待する。
夏音さんは演歌の魅力について「悲しい曲も楽しい曲も物語を歌っているみたいでかっこいい」と笑顔。「レッスンを受けて息が伸びるようになり、感情を込めて歌えるようになった。ジャンルを問わず歌いこなせて、聴いてて楽しくなるような歌手になりたい」と話している。
「音楽」に縁深い家族
夏音さんを囲む家族も音楽とのつながりが深い。父大助さん(41)は20~25歳ころ札幌で、ストリートミュージシャンとして活動。祖母の薫さんの弟は民謡歌手の横川正美さん(故人)、このほか親せきに三味線奏者の上妻宏光さんがいる。
大助さんは「自分が大好きな音楽の道に娘も進んでくれたらいいな」と、名前に「音」の一文字を入れた。夏音さんが音楽の世界で羽ばたく日を、一家も夢見ている。(藤島諒司、村瀬恵理子)
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