ハロウィーン 十勝も定着、街彩る
31日に迎える欧米の伝統行事「ハロウィーン」。カボチャなどの装飾が街を彩り、菓子や雑貨の関連商品が販売されるなど十勝でも定着する中、今年は“お化け”星座に焦点を当てた星空観察が天文台で初企画されるなど、さらに広がりを見せる。一方、ハロウィーンに不可欠なカボチャの品質は天候不順でいまひとつ。収穫を祝う同行事の盛り上がりとともに、関係者は来年の豊作を願っている。(池谷智仁)
“お化け星座”見て 29、30日 陸別・天文台で観望会
りくべつ宇宙地球科学館・銀河の森天文台(陸別)は29、30の両日、初の「ハロウィンナイト観望会」を開く。「ハロウィーンをきっかけに、天文に興味をもってほしい」(同館の守屋来=きたり=さん)と工夫を凝らした企画を考え、両日とも午後7時半から解説と望遠鏡観察を行う。
観望会ではギリシャ神話を交え、秋の星座を紹介する。今回の主役は「くじら座」。くじら座のモデルとなったのは、巨大な顎とらせん状の尾を持つ“お化けクジラ”と呼ばれる海の怪物。アンドロメダ姫を食べるため送られたが、英雄ペルセウスに退治された。この時期の夜空にはくじら座やペルセウス座などが固まり、星座をたどりながら物語の世界に浸る。
また、寿命が尽きかけ、やがて消えゆく恒星から発生したガスが輝く、アンドロメダ座の惑星状星雲「MGC7662」も紹介する。「うっすらと青く、まるでお化けのようにふわっと見える」と守屋さん。カボチャや切り絵などで館内を飾り、雰囲気を盛り上げる。観望会は無料だが、入館料が必要。
問い合わせは同天文台(0156・27・8100)へ。
カボチャに異変? 食用不作も飾りは人気
一方、本物のカボチャには異変が起きている。ハロウィーン用の他、約30種類の食用カボチャを扱う「めむろファーマーズマーケット愛菜屋」(芽室町、川角雅博店長)では、日照不足や台風などの影響で入荷量は例年より3割ほど落ちている。色づきは良くなく、水分が多いなど、品質は例年に比べ劣るという。
それでも、ハロウィーン用に飾るオレンジ色のカボチャの売れ行きは例年通りに推移。ピンポン球大のかわいらしい物から、重量約30キロの巨大カボチャまでを用意し、学校や温泉施設、個人などが購入している。人気はバスケットボール大で価格は600円前後。
ハロウィーンの定着を実感する川角店長は「生産者が技術を発揮し、来年こそは高品質のカボチャを提供できると信じている」と力を込める。