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草刈正雄さんと息ぴったりの「桃姫」 なつぞら馬車指導は忠類の蛭川さん

「なつぞら」に出演する桃姫と蛭川さん(右)。左は妻の千鶴子さん

 NHK連続テレビ小説「なつぞら」では、十勝の自然に溶け込んだ印象的な馬車のシーンが登場する。馬車指導を担当したのは幕別町忠類の蛭川徹さん(43)で、愛馬「桃姫」(雌、11歳)が草刈正雄さんと息の合った演技を披露している。

 劇中では牛乳運搬や移動手段として、草刈さん演じる柴田泰樹が馬車を操っている。蛭川さんは馬牧場「ノースポール・ステイブルヒルカワ」代表。8年前からイベント会場で馬車営業を行い、近年は馬耕(ばこう)文化伝承にも力を入れている。

 草刈さんは十勝ロケ直前の2018年6月に蛭川さんの牧場を訪れ、2日間練習した。牧場から1キロ先の耕作放棄地まで桃姫を操り馬車で移動し、プラウと呼ばれる農機具を引かせて畑起こしを体験した。

 楽しそうに何度も繰り返した草刈さんは、プラウ操作の効果的な歩き方を編み出し、「座頭市歩き」と名付けたという。この練習成果は、13日放送の馬を使った農地開墾や馬耕シーンに生かされた。

 撮影現場にも立ち会った蛭川さんは「草刈さんは自然体で、馬が止まってもあせらず御していた。賢くておとなしい桃姫との相性も良く、息が合っていた」と振り返る。

 中間種の桃姫はこれまでも数回、ドラマや映画に出演したベテラン役者。過去には銃で撃たれて死ぬという難役にも挑戦した。準備中に草を食べて周囲をはらはらさせたが、本番では微動だにせず、カットが掛かるとすぐに起き上がる“プロ根性”を見せた。

 なつぞらでは、開拓時の人間と馬の密接な関係も描かれている。蛭川さんは「開拓者の生きる知恵や人間力は学ぶべきものがある。馬文化を残すため、なつぞらをきっかけに多くの人に興味を持ってほしい」と期待する。(池谷智仁)


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