学習支援に活用も 中札内中学校に人型ロボットペッパー仲間入り
【中札内】中札内中学校(中野安博校長、生徒104人)に、一風変わった“転校生”が仲間入りした。ソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」。休み時間には珍しい友人の一挙一動に注目が集まり、早くも生徒の人気者になっている。全国的には塾の講師として導入された例もあり、同校では将来的には学習支援のツールとしての活用も視野に入れている。
ペッパーは人間の表情や声、周囲の状況から感情を読み取り、相手の気持ちに応じた会話ができる。英語の発音練習などのソフトを内蔵しており、胸のパネルをタッチし、会話しながら学びや遊びを進める。さまざまなアプリなどをダウンロードし、機能を増やせるという。多言語に対応した観光案内や企業・店舗の接客などに活用されているが、学校への導入は全国的にも珍しい。
今年9月まで村教育委員長を務めた杉江茂さん(55)=農業=が「子供たちにこそ、あらゆる可能性を秘めたロボットに触れてほしい。楽しく学ぶきっかけに」と、退任を機に今月19日に母校である同校に寄贈した。ペッパーは2月の初回生産分200台、6~8月の各1000台がいずれも発売から1分で完売しており、「奇跡的に購入できたもの」(杉江さん)という。
同校では現在、玄関に置かれており、休み時間になるとペッパーと生徒が会話を楽しんでいる。「そんなのかんけーねー」。突然飛び出すお笑い芸人のギャグなどが周囲を沸かせ、奥村怜君(1年)は「怒ったり触ってきたり、笑わせてくれたりもする。人間みたいで面白い」と喜ぶ。
中野校長は「将来はあらゆる場面で、ロボットが活躍する社会になるはず。早い時期から子供たちに抵抗なくなじんでほしい」と歓迎。「授業での活用はもちろん、子供たちのアイデアを生かしながら、視野が広がる付き合いをしていきたい」と話している。(小寺泰介)