オレオレ詐欺で100万円被害、清水町の60代女性
清水高校の卒業生の実家に、息子を名乗る男から特殊詐欺(オレオレ詐欺)の予兆とみられる電話が相次いでいる。27日には100万円をだまし取られたとして、清水町内の60歳代の女性が新得署に被害を届け出た。同署は同窓会名簿などが悪用された可能性もあるとみて、警戒を呼び掛けている。
同署によると、27日に届け出があった事案では、前日、女性宅に息子を名乗る男から「喉の調子が悪い。携帯電話が壊れたので会社の携帯を使っている」と電話があった。27日に再び男から「夫のいる女を妊娠させてしまった。弁護士を立てて示談交渉するのにお金が必要。100万円貸してほしい」と電話があり、女性は手元にあった10万円と預金通帳から50万円、40万円と3回に分けて、金融機関のATM(現金自動預払機)から計100万円を振り込んだ。
女性は振り込んだ後になって不審に思い、息子に電話をして確認したところ、だまし取られたことが発覚した。
清水町内では26日夕方から深夜にかけて、息子を装った男から「耳の後ろにしこりができたから病院へ行く」「携帯電話の調子が悪いから、会社の携帯電話にかけてほしい」「後でまた電話する」など、オレオレ詐欺の予兆とみられる電話がかかってきたとして、今回被害に遭った女性とは別に、3件の相談が同署に寄せられている。いずれも清水高校の卒業生を息子に持つ60代の女性で、同校の卒業生名簿が使用された可能性もある。
帯広署にも26日、オレオレ詐欺の予兆とみられる電話があったと2件の相談があった。いずれも息子が同校の卒業生だった。
新得署は同校に注意喚起を促すとともに、同署管内約20店の金融機関に対し、高齢者の高額現金引き出し時における声掛けと通報を要請。両署は「不審な内容の電話や振り込みを求める電話があったら、まずは家族や知人、警察などに相談してほしい」と注意を呼び掛けている。