スポーツ外来・リハ充実 医学センター開設 帯広協会病院
帯広協会病院(帯広市東5南9、及能健一院長)は来年1月10日、同病院の9階に、運動に伴うけがや障害の診療・リハビリを集中的に行う管内初の「スポーツ医学センター」を開設する。道内屈指の充実したスタッフと設備でスポーツ医学の先進地を目指す。同センターには「心臓リハビリセンター」も併設、多科が連携し、一般の外来患者も含めて質の高い心臓リハビリを提供する。
同病院は札幌医科大学から医師の派遣を受け、2009年からスポーツ外来を開設。スケートをはじめ野球、サッカーなどスポーツ全般に対応している。患者数が増え、従来のリハビリ室(2階)が手狭になったことから、リハビリエリアの移転に合わせ、9階の全フロアを使ってセンター化を図ることにした。大半を占めるリハビリエリアは面積673平方メートルで、従来の約3倍の広さとなる。
センターにはスポーツ外来とリハビリ室を設置。医師と理学療法士らが密に連携し、選手の診療・リハビリに当たる。リハビリ室には選手が手術後の早い段階から体を動かせるよう、無重力状態で運動ができる機器(アルターG)を設置する。フォームの分析などができる三次元動作解析装置も設置し、スポーツ障害の予防やパフォーマンス向上につなげる。
センター化に合わせ、医師は常勤、非常勤合わせて10人体制に拡充する。理学療法士も、現在の約10人から来年度は少なくても4人増やす予定。
スポーツ医学センター長に就く大坪英則整形外科部長は「より質の高い医療を提供するのはもちろん、スポーツに熱心な十勝でスポーツ医学のモデルケースをつくり、医学界に対し情報発信していきたい」と説明。センターで得た臨床データを生かし、札医大とも連携して研究につなげる考えで、「高いレベルの研究ができれば、社会への貢献と同時に病院のブランド化にもなり、結果的に人が集まってくる」と話す。
併設の心臓リハビリセンターでは、整形外科などとの連携で、心臓疾患の患者が関節や筋肉などに障害を抱えていても、リハビリに取り組みやすい環境をつくる。従来は入院患者のみが対象だった心臓リハビリを一般の外来患者にも提供する予定。運動の効果を測れる「呼気ガス分析装置」を新たに導入し、安全な運動処方と患者のモチベーション維持につなげる。
心臓リハビリセンター長に就く吉田一郎循環器内科主任部長は「十勝には心臓に病気を抱える人が多くいるが、安全に運動できる施設は不足している。そうした人たちが楽しく運動し、心も体も元気になる手伝いをすることで地域に貢献したい」としている。
(丹羽恭太)
◆帯広協会病院について
・リハビリ科-帯広協会病院公式ホームページ