帯南町の臼井文音100Mも銅 全中陸上
【香川県丸亀市】第41回全日本中学校陸上競技選手権大会最終日は20日、香川県立丸亀競技場で男女の決勝12種目を行った。女子100メートルは臼井文音(帯南町2年)が追い風参考記録ながら12秒10の好タイムで、前日の200メートルに続いて3位入賞を果たした。十勝勢で100メートル、200メートル両種目のメダリストとなったのは、2003年の福島千里(幕別糠内)以来。宮田乙葉(兵庫・明石朝霧3年)は11秒94で200メートルとの2冠を達成。前回覇者の吉野史織(滋賀・大津日吉3年)は11秒98で2位となり、連覇を逃した。同100メートル障害では、村岡柊有(釧路景雲3年)が今大会の道勢唯一となる金メダルを獲得した。(岡部彰広)
驚異の2年生 気負いなし
0・01秒差で3位勝ち取る
レースが終了し30秒…、40秒。200メートルのときのように、競技場内の大型モニターを見詰める。2位までの表示からしばらくして名前がぱっと映し出されると、前日以上に笑顔が花開いた。同時にスタンドで応援していた父文成さん(43)のガッツポーズも飛び出した。
気負いはなかった。もともと100メートルは決勝進出が目標だった。レース前も「(200メートル優勝の)宮田(乙葉)さんに2冠をしてほしいし、吉野(史織)さんには2連覇してほしいな」とどこか観客のような目線に立っていた。しかし、スタートラインに立つと気持ちが切り替わった。
右には200メートル覇者の宮田。「速くてついていけない」と思いながらも冷静だった。50メートルすぎには「動きが硬いな。タイムが出ない」と気付き、無駄な力を抜くことに成功。同時に3位以内も見えてきた。「隣の人を抜いたらメダルと思って頑張った。後半の伸びも感じることができた」。最後は胸を突き出してゴールし、すぐ左を走っていた佐藤芹香(宮城・古川黎明3年)をわずか0・01秒差でかわした。
12秒10は追い風2・2メートルの参考記録ながら、十勝中学記録にあと0・01秒に迫る好記録。報道陣から「3位の悔しさは?」の問いに「ないです」ときっぱり。文成さんも「びっくり。できすぎです」と連続のメダル獲得を喜んだ。
順調に成長すれば、次回は200メートルとともに優勝候補の筆頭に挙げられるはずだ。表彰者の控えスペースでは2冠で笑顔を振りまく宮田に対し、連覇を逃した吉野は号泣。そんな光景を目に焼き付けた。「泣きたくはないです」。“優勝”のニュアンスを含ませ、遠回しに来年の目標を掲げた。
1年後、札幌を舞台にした全国大会が開かれる。その間にも数々の記録樹立や栄冠が待っているに違いない。
【男子】
◇100メートル(追い風2・8メートル)
(1)宮本大輔(山口・岩国周東)10秒57
◇400メートル
(1)梅谷穂志亜(奈良・香芝東)48秒68
◇1500メートル
(1)大谷陽(栃木・那須塩原三島)3分59秒97
◇110メートル障害(追い風0・7メートル)
(1)樋口陸人(奈良・奈良平城東)13秒92
◇400メートルリレー
(1)宇都宮陽東(栃木)43秒01
◇走り幅跳び
(1)酒井由吾(東京・南多摩)6メートル94(追い風1メートル)
【女子】
◇100メートル(追い風2・2メートル)
(1)宮田乙葉(兵庫・明石朝霧)11秒94
(3)臼井文音(帯南町)12秒10
◇1500メートル
(1)田中希実(兵庫・小野南)4分22秒21
◇100メートル障害(追い風1・1メートル)
(1)村岡柊有(釧路景雲)13秒87
◇400メートルリレー
(1)大津南郷(滋賀)48秒10
◇走り高跳び
(1)梅原遥奈(千葉・佐倉南部)1メートル66
◇砲丸投げ
(1)進堂りか(大阪・大阪淀川)16メートル14・大会新
◆全国中体連について
・全国中学校体育大会 競技別ホームページ一覧-日本中学校体育連盟
◆女子100M決勝について
・女子100M決勝の順位表-大会事務局公式ホームページ
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