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本田さん夫妻が新作絵本「すごいんだ」出版

新作絵本「なきうさぎのピッチ すごいんだ」を手にする本田さん夫妻

 【清水】画家・絵本作家の本田哲也さん(67)と妻のチヱ子さん(66)=清水町=が、新作絵本「なきうさぎのピッチ すごいんだ」(芸文社)を出版した。2年前に出した「なきうさぎのピッチ だいじょうぶ」の続編で、前作と同様、本田さんが絵、チヱ子さんが物語と文章を手掛けた。2人は「命が持っている素晴らしい力を伝えたかった。大人の方にも読んでほしい」と話す。

 本田さん夫妻による絵本出版は2005年の「こぐまの森」(偕成社)、16年の「-だいじょうぶ」(芸文社)に続いて3作目。前作の完成後、すぐに続編の準備に入り、2年越しで出版にこぎ着けた。

 前作ではまだ子どもだったナキウサギ「ピッチ」の自立する姿を描いたが、今回は困難を乗り越える大人のピッチが主人公。

 青年になり、新しい家庭を築こうとする中で、天敵のワシに襲われて足を大けがし、どん底に追い詰められるピッチ。意気消沈する彼を「君はもともと、すごい力を持っているんだよ!」と、山の自然や動物仲間、家族が励まし続け、やがてピッチは元気を取り戻す。

 物語を担当したチヱ子さんは元小学校長。在職中に大雪山系を登った際、偶然見かけたナキウサギに心を引かれ、いつか物語を書きたいと思ったという。本田さんもこれまで何度も東大雪に足を運び、ナキウサギを取材。今作でも色鉛筆を使い、物語の情景を優しく描き出した。

 続編を手にチヱ子さんは「病気になったり、いろんな困難で自信をなくすこともあるが、人はそんなことで負けるものではないんだよという気持ちをこの本に込めた」と話す。

 定価1200円。全国の書店で販売されている。15日からは岡山県新見市の小学校を皮切りに、「なきうさぎのピッチ」2作を中心とする原画展を、滋賀県や長崎県など全国20カ所以上で予定している。
(金谷信)

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