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「おむつのサブスク」 十勝の保育施設でも導入

サブスクのおむつを補充する保育士

 紙おむつの定額利用サービス、いわゆる「おむつのサブスク(=サブスクリプション、継続購入の意味)」を導入する保育施設が十勝管内でも出てきた。保護者にとっては紙おむつの持参や1枚ずつの名前書きなどの手間が省け、施設側は保育士の管理負担を減らせるなど双方にメリットがある。働く女性が増える中、おむつメーカーなどのサービス事業者も、導入拡大に力を入れている。

 保育施設向けでは2019年、衛生用品の大手メーカー「ユニ・チャーム」(東京)が「手ぶら登園」(月額2508円から)を開始したのが最初。日用品メーカー「花王」(同)でも2022年、「KAOすまいる登園」(月額3278円)として同様の事業を開始するなど、サービス提供事業者は増えている。

 事業者の一つ、花王グループによると、全国の保育施設の約1割に当たる約5000施設で何らかのおむつサブスクが導入されているとする。十勝ではこの2社のサブスクだけで6施設で導入されている。

 柳月の企業主導型保育園「キッズピア保育園」(帯広、松木里奈園長)では、4月から花王のおむつサブスクを導入。無料試行期間を経て、希望する保護者が利用できるようにし、現在0~3歳児の26人中、6人が利用登録している。

 松木園長は「保護者にとって、おむつの記名は意外と大変。登園用の他の荷物の準備もあるため、一つ作業が減るだけでも楽になる」と説明。施設側のメリットとしては「保護者が持参したおむつを各園児の棚に入れる時間や、残りの数を確認し保護者に伝える作業が減る」点などを挙げる。

 ただ、松木園長は「現在、園内でのサブスク利用者はまだ少ない。全員が同じなら保育士の作業負担もさらに減らせるのだが…」とも打ち明ける。「十勝は自家用車での送迎がほとんど。保護者からは電車通勤の都市部に比べ、利便性が薄いという意見もある」と話してくれた。

 花王グループカスタマーマーケティングの福井勉ビジネス開発部門北海道地区マネジャーは「当社だけで全国1000園以上で導入されている中、道内は66園と多い割合ではないが、今年に入り、伸びている」とする。おむつサブスクと合わせ、日用品全般を取り扱う花王の特色を生かし、手洗いや歯磨き、シャンプーの一人洗いといった園児の自立支援につながる教育コンテンツの無償提供をオプションとして提案するなど、差別化を図っている。「十勝・北海道でも導入を拡大したい」と意気込んでいた。(児玉未知佳)

<おむつのサブスク>
 定額料金を支払えば、園内でおむつとお尻拭きが使い放題となるサービス。全国では、自治体が公立保育園に導入する動きもある。鹿児島県枕崎市では、保護者の経済的負担の軽減と紙おむつの個別管理を行う保育士らの負担軽減を図るために、「保育所等入所児童おむつ給付事業」を実施、おむつのサブスクにかかる利用料を公費で全額負担している。

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