おめでとう、美帆、菜那！ 姉妹で金に感動 地元幕別でＰＶ
スクリーンに高木姉妹のウイニングランが映し出され喜びに沸き上がるＰＶ会場（２１日午後１０時すぎ、塩原真撮影）
【幕別】幕別町出身の高木菜那、美帆姉妹が出場した平昌五輪スピードスケート女子団体追い抜き準決勝と決勝のパブリックビューイング（ＰＶ）が２１日、町百年記念ホールで開かれた。町民ら約３００人で埋め尽くされた会場は、姉妹での念願の金メダル獲得の快挙に沸き返った。
会場には高木姉妹の親族や母校の南商高関係者、飯田晴義町長、町民らが集まり満員に。手旗やバルーンスティック、美帆、菜那両選手のお面などが配られ、平昌に熱い声援を送った。
準決勝のカナダ戦では、快調に疾走する姉妹の姿に「速い速い！」と声援が飛んだ。勝利すると、決勝までの間に応援の練習も。決勝では、勝利を信じ祈るように手を組み、レースの行く末を見守った。
中盤にオランダがリードすると応援に一層力が入り、終盤に美帆選手が先頭に出て逆転すると「すごい、すごい！」とボルテージは最高潮に。金メダルが決まると、「やったやった！」「おおー」と大歓声が響き渡った。その後、観客はクラッカーを鳴らし、くす玉を割って「金メダルおめでとう！」と祝福した。
姉妹の帯南商時代の監督だった東出俊一さん（６１）は「こんなうれしいことはない。選手にはよくやった、お疲れさまと言いたい」とたたえた。中盤のオランダのリードにも「ラスト２周までほぼ同じなら最後の美帆で勝てると予想していた。偶然ではなく地力で勝った。強豪のオランダにチームで勝つことができ気持ち良い勝利だ」と話した。
高木姉妹のいとこの高木翔太さん（３０）＝帯広市＝は「期待されていた分、プレッシャーもあったと思う。おめでとう、お疲れさまと声を掛けたい」と話した。
連日声援を送る飯田町長は金メダルに願を掛け、金のネクタイを着用。「信じて応援した結果の金メダルで感動した。戻ってきたときには町を挙げて祝う会をしたい」と喜び、町民の力強い声援に感謝を伝えた。
高木姉妹の帯広南商高時代の同級生も応援。美帆選手の同級生で士幌町の団体職員原田詩乃さん（２３）は「ドキドキした。金メダルの瞬間は涙が出た」と感極まった様子。菜那選手の同級生で帯広市の保育士道田（旧姓・塩村）優花さん（２５）は「クラスメートが世界で１番になっちゃった。菜那は学生時代から明るくて何でもできる子だった」と喜んだ。十勝毎日新聞社はレース直後、金メダル獲得の快挙を伝える特別号外を発行し、ＰＶ会場で配布した。
（藤島諒司、高津祐也、石川友史）
