黒いキツネ、市内でも目撃 遺伝子の突然変異か
とかち帯広空港周辺に黒いキツネが現れ、姿が撮影された。専門家は、キタキツネが突然変異した可能性を指摘している。
目撃したのは、帯広市内の会社員野澤博さん(53)。4日夕方、道路を横切り、林に逃げ込んだキツネを撮影した。逃げたキツネは十数メートルの距離を保ち、興味深そうにカメラを構えた野澤さんを見ていた。
単独で行動し、大きさは通常のキタキツネと同程度。胴体や尻尾の一部には、キタキツネ特有の黄褐色の毛があった。野澤さんは「こんなキツネがいるのかと、とにかく驚いた」と話す。8日午後にも、空港周辺で目撃した。
おびひろ動物園の小林紗央梨獣医師は「非常に珍しい。遺伝子の突然変異ではないか」と説明する。ただ野生動物との共生には適度な距離が必要で、「見つけても餌付けや触ることはせず、見守ってほしい」と呼び掛けている。
黒いキツネは2015年12月に鹿追町で捕獲され、13年11月には更別村で目撃されている。(池谷智仁、松田亜弓)