展示室に映像解説システムを導入 帯広百年記念館
帯広百年記念館(北沢実館長)は、1階常設展示室の一角にある「開拓の夜明けと発展」コーナーに映像(静止画像)を使った展示ガイダンスを導入した。同館初の試みで、十勝開拓の先駆けとなった晩成社の土地取得状況を地図や年表などの史料も交え、モニターで分かりやすく紹介している。担当学芸員の大和田努さん(31)は「帯広のまちの成り立ちを知る上で重要な史料。ぜひ映像で見てほしい」と話している。
同ガイダンスは映像史料で分かりやすく解説しようと整備に着手。3月末に同コーナーに設けた。ボタンを押すと、約3分間の映像がモニターに流れる。
同ガイダンスでは晩成社の依田勉三が帯広農場(現在の国道38号付近)の土地を取得した経緯などを、地図や年表、解説文などで紹介。1883(明治16)年に晩成社が入植してから、9年後の92(同25)年に道庁の内定を得て、翌93(同26)年に正式な所有の許可を受けたことなどを説明している。大和田さんは「道庁の測量隊と飲み会を行うなど、勉三が交渉して農場の土地を取得したことを知ってほしい」と話す。
整備に当たっては、同館の収蔵品のほか、市内の郷土史研究家酒井孝幸さんが所有する史料や研究成果も参考にした。
同展示室は個人利用が大人380円、高校生と65歳以上が190円、中学生以下は無料。問い合わせは同記念館(0155・24・5352)へ。(藤島諒司)