市民寄贈の資料 10日から新着展 帯広百年記念館
帯広百年記念館(帯広市緑ケ丘2)には毎年、市民からの資料の寄贈が20件前後ある。寄贈を受けるのは同館が資料性が高いと判断した物で、今年度は十勝を記録した写真や生活関連品など22件に上る。10日からは「新着資料展」と題し、新たに寄贈された100点以上を同館で展示する。
収集資料は十勝に関係し、由来が明らかなものに限られる。例えば写真では、撮影した年や場所が分かることが重要になる。思い入れがある五月人形やひな人形などを引き取ってほしいとの問い合わせは多いが、資料性の観点から受け入れは難しいという。
今年度寄贈された資料は、写真が多かった。帯広市中心部にある「都通り」の舗装完了を祝うパレード(1956年)や昭和50年代の中心市街地のにぎわい、広尾の海岸で海水浴を楽しむ子どもたち(1964年)などが目を引く。また古い年代だけではなく、2000年以降に撮影した帯広の祭や成人式、16年夏の台風災害の写真なども、「将来的な資料価値が高い」として収蔵した。
珍しい物では、昭和50年代まで広尾町音調津で営まれていた雑貨商店の資料がある。日本酒を入れる袋や手ぬぐいの他、取引先の名前が入った前掛けなどがそろう。これらの資料や聞き取り調査で、函館から広尾まで船を使い菓子を仕入れていたことが分かった。
昭和40年代とみられるマッチのラベルを集めた冊子はレトロな雰囲気を伝えると共に、「ラーメン60円」「宝くじ1等400万円」などの情報が読み取れる。大正時代の市内呉服店の立派な店構えが分かる写真も、資料展で展示される。大和田努学芸員は「資料がどのような経緯で博物館にたどり着いたのかも理解してほしい」と話す。
資料展は入場無料で、26日まで。午前10時~午後4時。11日午後2時からは、今年度の調査研究成果を発表する学芸活動報告会を同館で開く。問い合わせは同館(0155・24・5352)へ。
近年では、晩成社のバター工場のものとみられる耐火レンガや、戦前のレジャー施設の絵はがきなどが市民から寄贈されている。(池谷智仁)
◆帯広百年記念館について
・展示情報など帯広百年記念館の情報全般-帯広百年記念館公式ホームページ