十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

そば「小もろ」閉店へ 立ち食い先駆け市中心部で48年

常連客にそばを出す二俣さん(左)。今月末で48年の歴史に幕を閉じる

 帯広中心部の立ち食いそばの先駆けとしても知られるそば店「小もろ」(西2南10、かじのビル1階)が今月末で閉店する。創業から48年。この間、火災による移転などもあったが、常連客らに支えられ、営業を続けてきた。店主の二俣信義さん(72)は「年も年だし、足腰の元気なうちに区切りを付けたい。長年、通ってくれた皆さんには本当に感謝している」と話している。 

 同店は1968年、岩見沢市出身の二俣さんが、同市でそば店を開いていた叔父の故信夫さんと共に西2南11に開いた。当時は立ち食いそばがメーンで、駅に近いということもあり、仕事帰りの会社員らでにぎわった。「従業員3人を雇って交代制でやっていた。お昼時には人であふれ、とにかく素早く出すことを心掛けていた」という。

 89年10月、隣接のパチンコ店で火災が発生し、店が半焼。失意と不安の中、心の支えとなったのが足しげく通ってくれる常連客の存在だった。「開店当初から4世代にまたがって来てくれる家族もいる」と二俣さん。火災後、間もなく現在地に移転し、これを機に立ち食いはやめた。

 今も昔も変わらず、人気メニューは天ぷらそば(370円)。手作りのかき揚げを使い、パリッとした食感が好評だ。カツオでだしを取ったしょうゆベースのそばつゆも、開店当初から変わらない。「叔父から受け継いだ味を大事にしてきた。だからこそ続けられたと思う」と、二俣さんは誇らしげだ。

 常連客の一人は「安くて早くて店主の人柄もいい。ここがなくなると行く所がない。寂しくなる」と閉店を惜しむ。二俣さんは「今後は趣味を楽しみたい。四国八十八カ所巡礼が夢」と話し、妻の久子さん(65)と共に残り少ない営業に力を注いでいる。

 同店の電話番号は0155・23・5979。(菅生佳孝)

更新情報

帯広レスリングクラブの野口と荒川全国V、国際大会出場決める ジュニアクイーンズカップ

紙面イメージ

紙面イメージ

4.28(日)の紙面

ダウンロード一括(82MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME