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捨て犬13匹、里親見つかる 上士幌町で保護

上士幌町内で見つかった捨て犬の1匹。保護された13匹は全て里親が見つかった

【上士幌】町内で2日、捨てられたとみられる子犬13匹が見つかり、町が一時的に保護した。引き取り手が現れなかった場合は殺処分される方向だったが、インターネット上の交流サイト(SNS)への町民の書き込みを通じ、3日午前までに全て里親が決まった。町や関係者は「複雑な心境だが、里親が見つかって良かった」と胸をなで下ろしている。

 役場町民課によると、捨て犬はいずれも推定で生後2カ月未満の雑種(雄5匹、雌8匹)。発見者は町内の男性会社員で、2日午前、町萩ケ岡地区を車で走行中に町道脇から2匹が飛び出してきた他、付近の草むらに11匹が身を寄せ合った状態でいたという。この13匹以外に、子犬1匹が死んでいた。十勝の自治体で一度にこれだけの捨て犬が保護された例は珍しいという。

 町は当初、狂犬病予防法に基づいて7日に捨て犬の情報を告示、10日までに引き取り手が現れない場合は殺処分する方向だった。ただ、保護した2日に5匹が町内に引き取られ、うち1匹を譲り受けた町内の杉井達広さん(40)=自営業=がフェイスブックで飼い主を募る書き込みをしたところ、シェアも広がり、「犬を引き取りたい」「早く飼い主が見つかりますように」といったコメントが殺到。3日は午前8時前から町に問い合わせがあり、帯広や音更、士幌、鹿追、新得の他、遠くはオホーツク管内置戸や旭川も含め管内外の人に引き取られることが決まった。

 杉井さんは8月7日に自宅で飼っていた15歳の愛犬を失ったばかりで、「子犬が捨てられるのを見て、どうしても助けたい気持ちから書き込んだ。捨てた人は許せないが、同じ思いを持つ人のつながりを実感した」と話す。

 十勝総合振興局保健環境部環境生活課によると、昨年度、帯広保健所が引き取った犬は135匹で、このうち36匹が元の飼い主、70匹が新しい飼い主に引き取られ、27匹が殺処分された。同課の赤木敦主査は「引き取り頭数は減少傾向にあるが、いまだに殺処分は後を絶たないのが現実。振興局のホームページで引き取り手を探す情報は発信しているが、今回のような個人の働き掛けも命を救う一歩につながったのでは」としている。(小縣大輝)

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