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7町村13人が第一声、2町無投票か 統一地方選2015

 統一地方選の最終ラウンドとなる町村長選、町村議選が21日、告示された。管内では7町村長と15町村議が改選期を迎え、午前8時半から一斉に立候補の受け付けが始まった。町村長選は正午現在、現職3人と新人10人が届け出を済ませ、幕別と大樹、更別、陸別は新人同士による一騎打ち、足寄は現職と2新人による三つどもえの戦いとなる構図。鹿追と浦幌は現職以外に届け出がなく、無投票となる公算が大きい。町村議選は正午現在、定数183に対し、200人が立候補、11町村で選挙戦に突入した。立候補の受け付けは午後5時に締め切られる。いずれも投票は26日に行われ、即日開票される。

 町村長選で選挙戦入りが確定した5町村の立候補者(届け出順)は、幕別が前町議の前川雅志氏(47)と前教育長の飯田晴義氏(59)、大樹が前副町長の酒森正人氏(56)と前町議の加藤明浩氏(55)、陸別がNPO法人理事長の原子裕志氏(61)と前町議会副議長の野尻秀隆氏(61)、更別が元幼稚園園長の西山猛氏(61)と前教育長の高島敏彦氏(56)、足寄が元町議の矢野利恵子氏(62)と現職の安久津勝彦氏(63)=3期=、元町職員の清野幸吉氏(61)、鹿追は現職の吉田弘志氏(75)=4期=、浦幌は現職の水沢一広氏(66)=2期=が届け出た。

 更別は8年ぶり、幕別と大樹、陸別、足寄は前回に続く選挙戦に突入。鹿追と浦幌は前回に続き2期連続の無投票となりそうだ。

 幕別では、喜多龍一道議の秘書を18年半、町議を12年務めた前川氏と、足寄出身で37年の行政経験を訴える飯田氏との戦い。

 大樹では、大樹高校の先輩・後輩による一騎打ち。前副町長という行政経験がある酒森氏か、民間のノウハウを持つ加藤氏かを選ぶ戦いになる。

 陸別では、原子氏と野尻氏の陸別小学校の同級生同士による対決。人口減対策と雇用創出が最重要課題になっている。

 更別では、37年間の行政経験を持ち、教育長も務めた高島氏と、小・中学校や幼稚園の教育現場で33年間従事した西山氏が対決する。

 足寄では、再選を目指す現職安久津氏に矢野氏と清野氏の2新人が挑む構図。「継続」か「変化」かを選択する選挙になる。




(各町村とも上から届け出順)

足寄町


矢野利恵子候補 午前9時20分、足寄町南3の選挙事務所前

足寄から脱原発社会
矢野利恵子候補(62)無・新

 今回で町長選3回目の挑戦。足寄町に産業を興し、人口を減らさないよういろんな施策を実行していく。特に、足寄の特産品を育成し地場産業の創出を図るとともに、太陽光やバイオガスプラントなどを使用した地域発電事業を行い「脱・原発社会を足寄から」を目指す。三度目の正直となるよう、豊かで希望のあふれるまちづくりを進めていくために、今度こそ足寄町のために頑張りたい。

<やの・りえこ>
 1952年足寄町生まれ。日大工学部卒。91年から町議通算4期。2003、11年に町長選に出馬。


安久津勝彦候補 午前9時20分、足寄町北1ノ1の道の駅あしょろ銀河ホール21駐車場

子育て基金に5億円
安久津勝彦候補(63)無・現

 いくつになっても、介護が必要でも足寄に住み続けられるよう医療・福祉分野の役割分担ができてきた。子育て支援では国などに先駆けて取り組みを進め、出産祝い金や保育所無料化、給食無料化など高校までの支援をしっかりやっていく。今後、5億円程度の子育て基金を積み立てて取り組みを続ける。3期12年で町の借金を減らし、貯金を増やした。4期目も足寄町政を担わせていただきたい。

<あくつ・かつひこ>
 1952年更別村生まれ。大樹高卒。町都市振興課長などを経て2003年、町長初当選。3期。


清野幸吉候補 午前9時25分、足寄町北1ノ4の選挙事務所前

横型連携に行政転換
清野幸吉候補(61)無・新

 新しい足寄をつくるという気持ちで立候補を考え準備してきた。“聴く耳を持ち”“人を育て”“行動する人”をスローガンにまちづくりを進めていく。縦割りの行政を、地方・地域での住民や農林業、商工業、NPOなどによる横型の連携ができる行政へと転換させていく。選挙戦への気持ちを理解していただき、投票に足を運んでもらい、新しい風の下、新しい町長を町政に送り出していただきたい。

<せいの・こうきち>
 1953年足寄町生まれ。足寄高卒。雪印乳業勤務を経て、74年に足寄町役場入り。昨年3月定年退職。




幕別町


前川雅志候補 午前9時20分、幕別町札内西町95の選挙事務所前

幕別新時代をつくる
前川雅志候補(47)無・新

 今回の戦いに当たり、多くの町民の方から「この幕別町は寂しい」との声をいただいた。その声を解決し、皆さんの心豊かな暮らしにつなげたい。財政健全化、1次産業や商工業の経営基盤強化と人材育成、子供の医療費や保育費支援の見直し、夢として医療系大学の誘致など7つの挑戦を掲げた。皆さんから力を借りて、さわやかな新しい風を吹かせ、まくべつ新時代をつくっていきたい。

<まえかわ・まさし>
 1967年幕別町生まれ。帯三条高卒。96年から道議秘書(2月辞職)、幕別町議3期(3月辞職)。


飯田晴義候補 午前9時35分、幕別町札内若草町540の選挙事務所前

町民党で対話重ねる
飯田晴義候補(59)無・新

 私を37年間育ててくれた町民の皆さんへの恩返しになればという思いで(出馬を)決断した。地方自治の主役は町民。“町民党”の立場で対話を重ね、皆さんの願いを受け止め、一緒に実現していきたい。まちづくりでは人口減少対策のほか、産業振興と経済の活性化を中心課題とし、行政経験を生かして進めたい。子供を育てた親としての経験も踏まえ、子育て支援にも取り組んでいく。

<いいだ・はるよし>
 1955年足寄町生まれ。帯柏葉高、高崎経済大卒。経済部長を経て、教育長を最後に2月末退職。




大樹町


酒森正人候補 午前9時20分、大樹町三条通18の選挙事務所前

未来の大樹のために
酒森正人候補(56)無・新

 産業振興、子育て支援、地域福祉、地域興し、教育など大樹町の課題を一つひとつ解決していく。大樹の未来を守るため、大樹の未来を担う子供たちのため、仕事をしていきたい。目標に向かって町民全体で進む大きな力を寄せていただきたい。皆さまの温かい心と激励の言葉をエネルギーに変えて今日から5日間、全身全霊を掛けて走っていく。未来の大樹のために、しっかりと頑張りたい。

<さかもり・まさと>
 1959年、大樹町生まれ。大樹高卒。前副町長。農林水産課長などを歴任。3月中旬退職。


加藤明浩候補 午前9時半、大樹町西本通26の選挙事務所前

自然使い人呼び込む
加藤明浩候補(55)無・新

 農業の経営ノウハウ、JA役員、町議として培ったものを生かし、民間の力を利用しながら行政を執り行いたい。観光では青く連なる日高山脈、清流歴舟川がある。その自然を利用していろいろな人々を呼び込む原動力にする。第1次産業を利用した産業の育成も図りたい。原材料だけで売るのではなく、加工して付加価値を高め、雇用を確保しながら、このまちを立派に運営していきたい。

<かとう・あきひろ>
 1960年大樹町生まれ。大樹高卒。ワークテック協同組合(大樹町)理事長。前町議(1期)。




更別村


西山猛候補 午前9時45分、更別村南1線の村役場前

子育てに「応援宣言」
西山猛候補(61)無・新

 子育て応援宣言や「子ども・子育て課」の設置で若者が安心して暮らし、安心して出産子育てができる村を目指す。基幹産業の農業の発展なくして村の未来はない。新しい視点を持ち、農協や農家と協力して農業振興に取り組みたい。住宅リフォーム助成などで商工業を盛んにする施策も行う。トラクターBAMBAに象徴されるように、みんなの知恵を結集させて、あすの更別をつくりたい。

<にしやま・たけし>
 1954年中札内村生まれ。龍谷大卒。2014年に更別小校長で定年退職。元更別村立幼稚園長。


高島敏彦候補 午前9時20分、更別村南1線の村役場前

農業で未来切り開く
高島敏彦候補(56)無・新

 未来を切り開くためには農業が元気でなければ。後継者対策や法人化、6次産業化などを推進し、雇用創出を図る。開発跡地の整備やトラクターBAMBAのイベントを積極的に支援し、まちなかのにぎわいと情報発信拡大を図る。子供を安心して産み育てられ、超高齢化に対応できる環境を整える。行財政を徹底分析し、効果的に基金を運用する。村民と共に、安心して暮らせる村をつくっていく。

<たかしま・としひこ>
 1958年更別村生まれ。帯農業高卒。77年に村役場入り。教育長を最後に3月退職。




陸別町


原子裕志候補 午前9時25分、陸別町陸別原野基線327の後援会事務所前

高齢者を支えていく
原子裕志候補(61)無・新

 私は高齢者のグループホームを運営している。老いてくると、誰もが病気・入院し、介護度がつくような状態になるが、特養、グループホームは満床状態にあり、退院後の行き場がない。高齢者の置かれている状況は厳しく、そこを支えていく。陸別の産業は酪農と林業。ふん尿処理対策としてバイオガスエネルギーを利用するなど、酪農・林業を守るため、環境整備し、働く場所をつくっていく。

<はらこ・ひろし>
 1953年陸別町生まれ。本別高卒。元町議2期。NPO法人理事長。2011年に町長選に出馬。


野尻秀隆候補 午前10時15分、陸別町の道の駅オーロラタウン93りくべつ前

産業振興で人口対策
野尻秀隆候補(61)無・新

 陸別の人口減に歯止めをかけるには、農林業や商工業などの経済基盤を活性化させるのが一番の近道だ。労働力不足解消のために町として協力していく。買い物に困っている高齢者のためにコミュニティーバスも検討したい。子育て支援では給食費の無料化を継続し、保育料の助成や時間を延長する。私は即戦力。町民の声を聞きながら、小さくてもキラリと輝くまちを目指して全力を尽くしたい。

<のじり・ひでたか>
 1953年陸別町生まれ。道自動車短大卒。2007年から町議2期。前町議会副議長。町商工会副会長。




鹿追町


吉田弘志候補 午前9時、鹿追町元町1の選対事務所

農業、観光、教育が柱
吉田弘志候補(75)無・現

 4期16年間、皆さんに支えてもらった。それに甘えることなく、初心に帰って5期目を担わせてもらいたい。農業のさらなる振興、観光資源の活用、郷土を愛し、将来を支えていく人材を育てる教育の3本を政策の柱に据えた。これをしっかりと推進することで福祉などあらゆるものがついてくる。中心に輝かしい光を放つ町にしていきたい。国、道、各市町村と連携してまちづくりを進める。

<よしだ・ひろし>
 1939年鹿追町生まれ。鹿追高卒、自治大修了。57年に同町役場入り。99年町長初当選。4期。




浦幌町


水沢一広候補 午前9時半、浦幌町桜町15の町役場前

人口減少食い止める
水沢一広候補(66)無・現

 2期8年を振り返ると、道の駅や留真温泉を整備し、耐震性がなかった浦幌中学校を新築して子供たちの安全を守れた。ただ、大事業も財政が念頭にあった。夕張の次は浦幌かと言われたが、改善してきた。3期目へ、環境に優しい、安全・安心なまちづくり、産業振興などを進める。町の出生率は1・69と高いが、安穏としていられない。人口減少を食い止め、夢と希望のある町をつくる。

<みずさわ・かずひろ>
 1948年浦幌町生まれ。明治大卒。95年に町議初当選(3期)。2007年に町長初当選。2期。





町村議選の立候補予定者数(十勝分)

11町村で議員選挙へ
 町村議選は、音更、幕別、芽室、新得、鹿追、池田、豊頃、足寄、陸別、大樹、中札内の11町村で立候補の届け出が定数を上回り、選挙戦に入った。残る4町村は、浦幌で届け出が定数を下回り、士幌、上士幌、更別の3町村が定数と同数で、それぞれ無投票となる見通し。

 20日時点で定数8を1人下回っていた更別では新たに1新人が立候補し定数割れを回避したものの、2期連続無投票になりそうだ。

 一方、浦幌では21日正午現在、定数11を1人下回る10人しか立候補の届け出がなく、資料がある1947年以降で初の定数割れとなる可能性が高い。

 前回選挙では、音更、新得、池田、陸別、更別、中札内の6町村が無投票だった。今回は、このうち新得、陸別で定数に対し届け出が3人超、音更と中札内は2人超となり、激戦となる模様。芽室も2人超の選挙戦になる見通し。また、幕別と池田は20日時点でいずれも立候補予定者は定数と同数だったが、それぞれ新人が立候補し、選挙戦に入った。

 今回選挙では、音更と浦幌、池田で定数を削減し、総定数は4年前に比べて5減の183。女性候補は10町村で計24人となっている。

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