JAXA、宇宙往還機誘導実験で大樹入り
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で宇宙往還機を想定した誘導制御技術の小規模飛行実験に向けた準備を始めた。8~13日に実験場周辺の上空を自動飛行させ、ソフトの整合性を確認する。
JAXAは宇宙を行き来する機材の安全性向上と回収コスト削減の観点から、宇宙空間から大気圏への再突入時などの急激な環境変化に対応し、安全に陸地に帰還する誘導制御技術の実用化を目指している。大樹では昨年から、同機構の宇宙輸送系システム技術研究開発センターと飛行技術研究センターが共同で小型実験機を使ったソフト開発を行っている。
今回は昨年の実験で得たデータを踏まえ、実験場の南側半径300メートルの上空をあらかじめ設定した高度、経路で実験機(全長2.6メートル、幅4.2メートル、高さ80センチ、重量40キロ)を飛ばしてソフトが的確に作動し、安定飛行できるかを確認する。
実験チームは5日、塚本太郎リーダーら約10人で大樹入り。実験は8~13日に10フライトを予定している。塚本リーダーは「実験を通じて将来に向けた基盤を築きたい」と話している。(関根弘貴)