今年度2機目の大気球打ち上げ、JAXA
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日未明、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で小型タンデム気球を打ち上げた。3日に続く今年度2機目。新しい長時間滞空システムの概念の開発に向け、浮力の変化によって飛行高度がどのように変わるかなどを確認した。
タンデム気球は通常のゼロプレッシャー気球と現在開発中のスーパープレッシャー(SP)気球を組み合わせた。昼夜の気温差を利用して高度を変えながら長時間滞空できる。
昨年度はゴム気球(直径6メートル)2つとSP気球(同3メートル)を組み合わせた超小型気球で実験したが、今回はゼロプレッシャー気球(同33メートル)とSP気球(同20メートル)を使用。午前3時35分、ゼロプレッシャー気球の下にSP気球とカメラなどの観測機器(重量45キロ)をつり下げて放った。
上空ではゼロプレッシャー気球のガスを抜くなどして昼夜の気温差を再現。浮力を変えることで高度がどのように変化するかなどを観測した。
気球は高度27~29キロ周辺を行き来した後、同7時半ごろ、同実験場東方30キロの海上に着水した。今回のデータを基に、より大型のタンデム気球の開発を目指す。
今年度の大気球実験は今回で第1次(5、6月)を終了。第2次は8、9月に計4機を予定している。(関根弘貴)