高嶺の花もウナギ人気 きょう土用の丑の日
「土用の丑(うし)の日」の27日、帯広市内の飲食店やスーパーではウナギを買い求める人が相次いだ。ウナギ価格は上昇傾向で、前年より1割ほど高い小売店もあるが、販売数量は前年並みを見込んでいる。高根の花となったが、その人気は不変のようだ。
養殖用のニホンウナギ稚魚は不漁が続き、ウナギ価格は上昇している。飲食店に活ウナギを卸す北鰻(帯広、坂本芳春社長)によると、仕入れ価格は前年から9%上がった。ただ、ウナギ離れを懸念し、卸価格は前年比6%増に抑えている。
価格高騰の影響で、ウナギの取扱量はピークだった2000年に比べ、3分の1までに減少。坂本社長は「好きな人でないと二の足を踏む値段になってしまった」と嘆く。
小売店の販売価格は前年に約1割上昇したが、今年も傾向は変わらない。スーパーのダイイチは、国産ウナギ長焼きの予約価格が2980円など前年比5~10%ほど値上げした。それでも予約数量は前年並みを確保した。同社は「国産と中国産の割合は7対3で、いずれも品質を重視している。土用の丑当日は水産部門売り上げの85%をウナギが占める」と説明する。
同社は27日までの3日間、各店舗前でウナギを炭火で焼き上げてから販売。香ばしい匂いに誘われるかのように、27日の午前中も購入者が相次いだ。
スーパーのフクハラは、仕入れを工夫するなどして前年並みの価格で販売。前年よりサイズの大きい国産ウナギを中心に取りそろえた。同社は「前年以上の数量を確保した。多くの人に食べてもらい、喜んでほしい」とする。
来年の価格動向について、複数の関係者は「下がることはないだろう」とし、上昇傾向は続くとみている。(池谷智仁)