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山岳救助の経験で決意語る、足寄消防署の宮村さん 全道優秀賞

遭難救助の経験を発表して全道優秀賞を受けた宮村健斗さん

 第49回全道消防職員意見発表大会が札幌市内で開かれ、足寄消防署消防士長の宮村健斗さん(34)が、第2席に当たる優秀賞を受けた。山岳救助の経験から心構えの重要性と遭難防止の啓発の必要を訴えた。十勝管内からの同賞受賞は、2016年の消防広域化後、2人目となる好成績だった。

 同大会は全国消防長会北海道支部の主催。職員が日頃の業務に対する意見や課題を5分間で発表し、消防業務への意識を高め合う。

 とかち広域消防局では、管内の若手職員19人による意見発表会を昨年12月に開き、宮村さんは最優秀賞を受賞。18人が参加した1月の道東地区大会でも最優秀賞を獲得し、地区代表として4月26日の全道大会に臨んだ。

 宮村さんは幕別町出身。大学卒業後、新得小学校で1年間臨時教師を務め、17年3月まで足寄町役場で勤務。同年4月に「高校時代からの夢だった」という消防士になり、足寄消防署で働いている。

 発表では21年夏に出動した雌阿寒岳(めあかんだけ)の遭難救助の経験を話した。気温が低く雨が降る中、「寒くて動けない」と救助依頼を受け、遭難者の体重が重いとの情報に、「天気も悪いし下ろせるかな」と不安になったという。山中で発見した遭難者に感謝され、「気を引き締め、頑張ろう」と心持ちを改めた。どんな状況でも「助けよう」と気持ちを切り替えることの重要さを発表した。

 遭難発生の朝には、町内のコンビニで別の登山者の姿を見掛けていたことから、店舗などと連携を図り、登山者に最高・最低気温や登山ルートの情報を伝える取り組みも提言した。優秀賞の結果には「名前を呼ばれたときはびっくりした」と喜んだ。

 宮村さんは現在、足寄消防署で救急対応や事務作業に当たり、「優しく対応することを心掛け、人に頼られる消防士を目指す」と話す。夏の登山シーズンが近づくが、「防寒具を着用し、天候を事前に確認してから登って」と注意を呼び掛けている。(北村里沙)

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