40年前のセーラー服で入学式 つつじが丘小の伊藤愛央さん
帯広市内の小学校で入学式が行われた9日、新しく華やかなワンピース姿で参加する児童が多い中、つつじが丘小新1年生の伊藤愛央(まお)さん(6)が着たのは紺色の小さなセーラー服。40年以上前に手作りされたもので、代々、親戚の子どもたちが式で着用してきた。
セーラー服は愛央さんの父丈史さん(37)の伯母の伊藤登喜子さん(77)=帯広在住=が43年前、入学式を迎えた長女のためにミシンで手作りしたもの。裁縫が趣味だった登喜子さんは「娘に既製品ではないものを着させたかった。セーラー服は型が決まっていて作れそうだと思った」と振り返る。
服はその後、親戚や近所の子どもらが式に参加するときに、貸すようになり愛央さんで7人目となった。
セーラー服をまとい、ちょっぴり大人っぽくなった娘の姿に、母の志津江さん(36)は「保育園に通っていたときと違い成長を感じる。何だか親の手を離れるようで少し寂しい気持ち」と感慨深げ。父丈史さんは「歴史のあるものだけど古さを感じない」、1年1組の担任の太田あき子教諭は「似合っていて、懐かしさを感じる」と目を細めた。
登喜子さんによると、生地には上質な純毛サージを使用。式で使った後は、みんながクリーニングして返してくれるといい、製作から40年以上を経たいまも、見た目は新品同様だ。愛央さんも気に入った様子で「遠足が楽しみ」と元気いっぱいだった。
セーラー服は、登喜子さんの孫も式で着用しており、登喜子さんは「たくさんの子どもたちに着てもらい、この先も受け継いでいってほしい」と話していた。(高津祐也)