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避難所へ所有地提供、広尾の大西さん  「地域のため」

大西産が無償貸与した遊休地。奥が旧スキー場、右は町道音調津石山道路

 【広尾】合言葉は「音調津から1人の犠牲者も出さないために」-。町丸山通南7の漁業大西市雄さん(77)が町音調津地区の避難場所造成に寄与しようと、同地区内の所有地4000平方メートルを町に無償貸与した。町が避難場所として指定している町道音調津石山道路にある旧スキー場の麓。町は雪解け後に防災保管庫などを新・移設し、夏ごろまでに同地区住民約150人の「命をつなぐ場所」として活用し始める方向で調整している。

大西市雄さん

 音調津市街から1キロ離れた同避難場所周辺(海抜44メートル)は道幅4~6メートルの直線道路。災害で音調津大橋が崩落した際に身を寄せる場所として指定されているが、横列駐車したり、防災保管庫を置いたりするスペースはない。同地区では「救助が来るまでの間、避難場所でどのように過ごすか」が懸案事項になっていた。

 そこで立ち上がったのが元同地区住民の大西さん。音調津町内会(上野雅彦会長)の要請を二つ返事で引き受けた。無償貸与した土地は旧自宅前にある畑で、現在は遊休地。「20年前に引っ越したが、小さいころ世話になった地域のために一肌脱ぎたかった」という。

 同地区周辺は日高山脈襟裳国定公園に指定されていることから、町は管理者の道の許可を取って避難場所の造成に着手。作業に当たっては地域住民からの要望で黄金道路(国道336号)周辺で国の防災関連工事を請け負っている川田工業(帯広)が地域貢献活動として無償で協力した。

 町は春になってから町総合センター(海抜15メートル)にある防災保管庫などを新・移設に取り掛かる方針。同地区住民の命を守る官民協働の取り組みに、村瀬優町長は「大変ありがたいこと。音調津の防災活動を見本にしていきたい」と歓迎している。(関根弘貴)

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