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十勝毎日新聞社が主催する女性限定会員制クラブ「SALA(サラ)」の特別対談
「輝く女性の生き方 いきいきと美しく」が8月18日、帯広市内の十勝農園で開かれた。
ミセスジャパン代表の谷藤英子さん、
ミスユニバース北海道代表の松井詩さん(いずれも帯広在住)、
ミセスジャパンオーガナイザーの吉成恵里香さん(札幌)の3人が登壇し、
訪れた来場者約20人に輝く女性の生き方を紹介した。
対談要旨を紹介する。

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大会出場のきっかけは

松井
海外の高校に通っているとき、獣医になろうと決めた。日本と世界の獣医療を比較すると、日本は発展する余地があると強く感じたからだ。影響力を持つ人になって日本の獣医療の現状を伝えたいと考え、ミスユニバース北海道大会に挑戦した。
芸能活動に興味があって出場する人も多い中、ファンデーションの塗り方も分からず、ウォーキングも初めて経験した。しかし、自分の挑戦に多くの人の賛同ももらった。獣医になって夢をかなえたい。
谷藤
50歳になった昨年、3人の子供も大きくなったタイミングで札幌大会の存在を知った。水着審査もなく面白そうと応募したが、結局、楽しんで大会を終えてしまった。そのとき、息子から「自信なさげだった」と指摘され、「自信ってなんだろう」と1年間考え続けた。なぜ出場するかを自分に問いかけ、挑戦する気持ちで今年の大会にリベンジした。

選考基準について

吉成
モデルルッキングといわれる外見だけの評価がミスユニバースやミセスジャパンの選考基準ではない。光るものが評価され、絶対的な審査基準は「自信」。初めから熱い思いを持つ人は確かに強いが、出場する中で自信をつけたり、短時間で多くのことを吸収できるのも面白さだ。
ミスコンテストは世界中にたくさんあるが、その最高峰がミスユニバース。日本では芸能界の登竜門のイメージが強いが、世界ではさまざまな国の人が文化・意見交流する場という位置づけで、国の代表として意見を述べることに大きな意味がある。
松井
(大会のファイナリストを対象にした)ビューティーキャンプでは、自分の意見をどう伝えるかを学んだ。その中で外見を磨く講義やメイクアップやヘアスタイルも学ぶ。外見は自分が相手にとってどう映りたいかが重要だと思う。
私は獣医を目指していることや(ペットの)殺処分ゼロ、獣医療が人と動物をつなぐことを多くの人に伝えたかった。だから説得力があって知的に見えるように、人一倍スピーチに力を入れた。身長が高くないので、高いヒールをはいたり、大きな身振りで表現できるようにした。
谷藤
中からあふれる自信が審査のウエイトを占めていたと思う。主婦をしていたので、「自信」について真剣に考えたことがなかったが、よいきっかけをもらった。そして1年間探ってきた自信は、「自分が自分らしくあること」だった。
吉成
美しいだけでは価値がなく、その美しさを何に使うのかが重要。伝えたいメッセージがあり、そこに美しさが付属するから訴求力が高まる。自分の強みを探すのは大切で、最終的にはどれだけ夢を語って、実行力があるか。それに対する誠実な人間性や知識、実力があるかを見られる。つまり、日本代表に選ばれなくても、ある意味小さな政治家。社会を変えようとし、日本の未来を担う女性だ。

日本人女性の美しさとは

谷藤
癒しを与えられる笑顔が魅力。そういう女性になりたい。
松井
相手を思いやれるところ。また、日本人の協調性はアジアでも1、2を争う。ただ、それを無個性にはしたくない。協調性は個性でもあるが、その中で芯(しん)を持って意見を言える女性が美しいし、日本人女性が目指すべき姿だと思う。
吉成
穏やかさを与えれるのは日本人女性の特徴。内面的なものや心ひかれるのが真の美しさだ。また、不可欠なのは「心身の健やかさ」。心と体が健康でなければ美しさは見出せない。

十勝のビューティースポットは

松井
畑が好きで、今朝も3時に起きてダイコン収穫のアルバイトをしてきた。十勝は食べ物がおいしい。食材が育つ畑にはエネルギーを感じるし、そこにいると心が安らかに、きれいになる実感がある。かつて暮らしたシンガポールは、食べ物や水でさえも輸入していた。
日本人女性はよく痩せすぎと言われる。ダイエットは、海外では食生活を見直す、健康になるための行動を指す。単に痩せることが目的ではなく、健やかになることが大切だと思う。十勝は体によい食材が集まっている。痩せすぎや拒食の問題を十勝なら解決できると感じる。いろんな発信ができるといい。
谷藤
十勝の良さは、意外と地元の人は分かっていない。十勝の人がもっと十勝を愛して、外にアピールしなくては。十勝晴れや勝毎花火大会もすばらしい。
吉成
睡眠や安全な食べ物は本当の美容液であり、一番のサプリメントだ。北海道の中でも十勝は健やかさを作れる場所。水や空気、温かい人、食べ物がたくさんある。十勝で日々を送るのはとてもぜいたくなことだ。
十勝が日本人女性の美を救うというのは、提言として大変面白い。十勝は先進的で、花火大会のようなエンターテイメントは、生きるエネルギーも与える。大自然に加え、全てを兼ね備えている。ビューティースポットは、北海道の人に聞いてもなかなか語れないものだが、十勝の人はゆるぎない自信を持っていて、郷土を愛しているのが分かる。

十勝のみなさんにメッセージを

松井
常に挑戦し続け、行動に移せる女性が美しいと思うし、そうなりたい。
谷藤
50歳からでもいろんなことに挑戦できる。一歩の勇気が大切。みんなと一緒に「十勝といえば『美』、『美』といえば十勝」という機運を作り、十勝を全国や世界に伝えていきたい。

谷藤 英子(たにふじ・えいこ)

 帯広出身。3人の子育てをしながら、帯広市内でエステティックサロンを経営。昨年初めて50歳の挑戦としてミセスジャパンにエントリーし、2016年ミセス日本グランプリセミファイナリスト、2016年ミセスジャパンファイナリストに選ばれた。再挑戦した2017年はミセスジャパン北海道大会グランプリ、さらに日本代表に選ばれた。特別賞のGRACIOUS賞も受賞した。

松井 詩(まつい・しほり)

 「2017ミス・ユニバース・ジャパン(MUJ)」の北海道代表。東京出身。親の仕事の都合で5歳から10歳までを米国ニュージャージー州で生活し、一度、日本に戻った後、中学3年から高校卒業までをシンガポールで過ごした。帯広畜産大学共同獣医学課程在学

吉成 恵里香(よしなり・えりか)

 日々を輝いて過ごしたい女性のためのセミナー、イベントを企画するウーマンズアカデミー代表。ミセスアジアシュプリーム2015初代日本代表。ミセスのためのページェント、ミセスジャパンを主宰し、女性の活躍支援と地域創生、新たな価値創造の提言のため、日本大会を札幌で開催。トレーナーとして日本代表を目指す女性のトレーニングを行い、数々のミスコンテスタントをプロデュースする。2014年に担当したミス・ユニバース北海道大会でビューティーキャンプを帯広で開催した。

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