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動物園のあるまちプロジェクト

第8回

森谷有紗さん

飼育展示係/モルモット、ウサギ

モルモットのふれあい訓練



 現在、動物園には22匹のモルモットがいます。そのうち19匹が、来園者が触れることができる“ふれあいチーム”として活躍しています。

 モルモットは野生下だと被捕食者。その性格は非常におくびょうで、愛玩動物といえども、すべての個体がすぐにふれあいに適応できるわけではありません。

 そこで、動物園では「馴致(じゅんち)」という人間とのふれあいに馴らす訓練を毎日行っています。生後2、3カ月ころから始め、人の膝に乗せて手のひらで優しくなでたり、ご褒美の果物をあげたりなどを根気よく繰り返します。

 馴れてくると、においをかいだり、ちょっかいを出してきたりと、かわいらしい仕草を見せてくれることも。段階を踏み少しずつ馴れさせることで、人間に触られることがうれしいとモルモット自身が感じ、穏やかな気持ちでふれあいに参加できるようにしています。

 動物園に来ると来園者は、動物に触れるなど普段できないことを体験したいと思うはずです。ただ、怖がったり嫌がっているところを無理に触るのは動物もかわいそうです。来園者にも楽しい思い出を作ってもらうため、トレーニングに取り組んでいます。

 動物たちの体はもちろん、心も健康に過ごせるようにするのも飼育員の大切な仕事です。

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