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動物園のあるまちプロジェクト

第4回

西山 葵さん

飼育展示係/ヤギ、ヒツジ、リス、モモンガ、小鳥

高齢動物のケア



 動物園で暮らす動物は、野生の個体に比べて長生きします。外敵もなく餌を確実に食べることができ、病気の早期発見が可能だからです。しかし一方で、高齢に対応するさまざまなケアが必要となってきます。

 園には現在、2頭のヤギ「ユズ」「くるみ」がいますが、いずれも8歳。ヤギの平均寿命は12年ほどなのでシニアです。7月20日に亡くなった「ぴっくー」は16歳の高齢でした。

 ぴっくーは年とともに、8本あった前歯は2本にまで減り、長い草や大きな餌を食べることができませんでした。消化にも時間がかかります。このため、乾草や野菜を小さく切って与えていました。ユズも2年前に体調を崩してしまったので野菜を小さく切って与えています。

 換毛期には地肌マッサージも兼ねて、毛の生え代わりがスムーズにいくようブラッシングをします。高齢になると、免疫力が落ちて皮膚にできものができやすくなるので、クリームを塗ったり、薬用のシャンプーで体を洗うこともあります。

 足のケアも大切です。爪が変な方向に伸びるとよくないので、定期的に爪切りをしています。また足に負担がかからないよう、寝室ではコンクリートの床の上にお風呂マット、外の展示場には砂を敷いています。

長生きしてもらうため、よい環境を常に整えるのも飼育員の務めだと考えています。園にはゾウのナナなど、高齢期を迎えた動物が何頭かいます。家畜のヤギは比較的ケアがしやすいため、経験を積んで他の動物に応用していきたいと考えています。

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