2019.2.8
円山動物園(札幌、加藤修園長)では2018年11月にミャンマーからやってきたアジアゾウ4頭が新たな生活を始めている。環境の変化にも慣れた様子で、同年9月に完成した国内最大級の獣舎で元気な姿を見せている。
ゾウ舎は大きく屋外と屋内の放飼場2つのエリアに分かれ、さまざまな角度から観察することができる。ゾウの健康を考えた床材の砂や冬期間は室内で暮らすことから水場の確保のため国内初となる屋内プールを設置するなど、来園者がどのような視点でゾウを見ることができるか施設内を紹介する。
【1】ゾウ舎外観
【2】陸のステージ
【3】階段通路
【4】水のステージ
【5】トレーニングゾーン
ゾウ担当動物専門員インタビュー
円山動物園(札幌)に昨年11月、ミャンマーから仲間入りしたゾウ4頭のトレーニングの様子が7日、報道関係者向けに公開された。健康管理のための足のケアなどを目的にしたもので、ゾウたちは元気な様子でトレーニングに臨み、プールに潜ったり砂浴びをする姿も見られた。3月上旬の一般公開を予定している。
ゾウは日本とミャンマーの国交樹立60周年にちなみ、雌3頭と雄1頭がミャンマー政府から贈られた。現在は、新たに建設されたゾウ舎で環境に慣れさせている。道内ではこれまで、ゾウはおびひろ動物園のアジアゾウ「ナナ」(雌、57歳)のみが飼育されていた。
この日は足を一本ずつ上げさせるトレーニングが行われ、ゾウたちは担当の小林真也さんの指示の下、前足や後ろ足を指定の枠に載せたり移動したりした。子どものゾウ(雌、5歳)は楽しそうに足を何度も載せていたが、「指示に使う棒を踏めばいいと勘違いしている。ゆっくり理解させていきたい」(小林さん)。トレーニングは週3、4回を予定し、今後の削蹄や足のケア、耳からの採血などにつなげていく。
小林さんは「飽きさせないよう、埋めたリンゴを掘って食べさせたり、大きい木を入れて自由に使ってもらうなどしている。ゾウたちにできるだけ選択してもらう形を取っている」と話す。