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動物園のあるまちプロジェクト

第13回

河瀬 浩章さん

飼育展示係/ホッキョクグマ、チンパンジー

本来の行動を引き出すために



 ホッキョクグマのアイラ(雌8歳)の展示室には、大きな浮きや湯たんぽなどの「遊び道具」をプールに入れています。野生のホッキョクグマはアザラシを餌としていて、水面に顔を出したアザラシに飛びかかるような行動を、湯たんぽなどで引き出しています。また、そのような道具を入れることで、ホッキョクグマのストレス解消にもつながっています。

 湯たんぽなどを入れることで、前足や口の様子、牙や爪などの鋭さを間近に観察することもできます。ホッキョクグマの皮膚は黒く、体を覆う半透明の毛が全身を白く見せている他、前足には毛がない部分もあり、皮膚が黒いことを確認することができます。

 夏は、氷や活魚などを与え、野性味あふれる動きを引き出し、秋はヤナギを与えると前足で枝をつかみ、樹皮をはがす様子がみられます。また、冬には展示室の中に雪山を作ると、寝転んだり、穴を掘るといった行動が見られます。今後もホッキョクグマの自然な行動を引き出せるように力を入れていきます。

 担当飼育員としての一番の夢は、アイラに赤ちゃんを産んでもらうことです。アイラは円山動物園(札幌市)生まれで、今はおびひろ動物園で飼育しているホッキョクグマです。国内のホッキョクグマの繁殖計画は旭山動物園(旭川市)の管理者が担っており、アイラの嫁入りまで、健康に育てていきたいと考えています。

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