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動物園のあるまちプロジェクト

第7回

石山絵理花さん

飼育展示係/カナダガン、ペリカン、ハクチョウ

展示室へのこだわり



 動物園には「特定外来生物」と呼ばれる動物がいます。本来の生息地とは別の地域に住む外来生物で、生態系や人、農林水産業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 おびひろ動物園では1972年から、北米原産でカナダを中心に生息する「カナダガン」を飼育しています。しかし、近縁種であるシジュウカラガン(絶滅危惧IA類)などとの交雑や農業被害の懸念があったため、2014年に特定外来生物に指定され、ガンカモ池では飼育できなくなりました。

 逃げ出さないよう管理された施設が必要となり、以前カバが使っていた部屋を改修したり、手作りのプールを備えるなど、暮らしやすい環境を日々考えながら展示しています。

 身近なところでは、アライグマやウチダザリガニ、ミンクも特定外来生物に指定されています。野生化の要因としては、ペットとして飼っていたものが逃げたり、繁殖してしまうことも挙げられます。動物を飼うときは最後まで責任を持って飼育するなど、現在展示しているカナダガン「アキ」「フユ」の展示を通じて、外来生物の問題や自然環境、命について学ぶきっかけになればと思います。

※冬期開園中はカナダガンを展示していないこともあります。

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