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グアテマラに行くならココ!お勧め観光地ベスト10+α あれから20年~再びグアテマラへ(19)

小林 祐己

JICAグアテマラ事務所企画調査員

 20年ぶりのグアテマラ滞在も1年半が経過した。このコラムでは毎回いろいろな思いをつらつらと書かせていただいているが、長い文章を読むのは面倒くさいという人のためにも、今回は写真を中心にグアテマラの魅力を伝えたい。今回の滞在中に訪れた土地の中から「グアテマラに来たらぜひ訪れてほしい場所ベスト10」を紹介します(選考と順位はあくまで個人の感想ですので苦情は受け付けません~)。



10位:アティトラン湖(ソロラ県)
 8万4000年前の火山の噴火でできたカルデラ湖。「世界一美しい湖」とも呼ばれる。湖岸には有名な観光地パナハチェルだけでなく、美しい織物や陶器で知られる村が点在しており、バスやランチャ(ボート)で巡ると楽しい。写真は峠のカフェから撮影した雄大な風景。




9位:アンティグア・グアテマラ(サカテペケス県)
 グアテマラの古都で世界遺産。あまりにも代表的観光地なのでここでは順位は控えめに。治安も良く、グアテマラの文化や食をゆっくりと満喫できる。写真は街並みとアグア火山を一望する展望台「十字架の丘」より撮影。

 詳しくはこちらを参照→古都アンティグア、すてきなカフェ巡り あれから20年~再びグアテマラへ(5)




8位:リオ・ドゥルセ(イサバル県)
 グアテマラ北東部、カリブ海につながるイサバル湖岸の町。夕陽が美しい湖にホテルやレストランがあり、ガリフナ族の名物料理「タパード」(海鮮のココナツスープ)など海の幸がおいしい。カリブ海の町リビングストンにもボートで行ける。写真はかつてカリブの海賊を撃退した古城サンフェリペ城。




7位:ティカル(ペテン県)
 北部ペテン県の密林に広がるマヤ文明の古代遺跡で世界遺産。これもあまりに代表的なので順位は控えめに。遺跡公園内は携帯電話の電波も通じない秘境だが、中心部の神殿(ピラミッド)の頂上に上ると突然電波が入る。ピラミッドパワーか。




6位:ビオトポ・デル・ケツァール(バハ・ベラパス県)
 世界一美しい鳥とされ、手塚治虫の火の鳥のモデルとも言われるグアテマラの国鳥「ケツァール」が運が良ければ観察できる自然公園。自分は20年前は何も見られず、「本当にいるのか?」という邪念を抱いていたが、このほど森の中で飛ぶ姿を拝むことができた。ケツァールは実在します! クリアな写真は撮れなかったので、上段の写真はグアテマラ自然保護地域国家評議会(CONAP)のHPより。下段はケツァールが見られるホテル。




5位:チチカステナンゴ(キチェ県)
 マヤのキチェ族の文化が色濃く残る町で、マヤの聖典「ポポル・ブフ」が発見されたサント・トマス教会がある。木曜と日曜に中米最大規模と言われる民芸品(主に織物)の市場が出る。ウィピル(先住民の民族衣装)好きにはたまらない。12月のフェリア(お祭り)では伝統的な子牛の踊りやロープ一本でポールから降りるパロ・ボラドール、花火などが行われる。




4位:キリグア(イサバル県)
 グアテマラを横断するモタグア川中流域の低地にあるマヤ遺跡で世界遺産。ピラミッドがそびえるティカルに対し、マヤ象形文字が刻まれた巨大石碑群が見どころ。小さな博物館もある。ティカルほど来場者は多くはないので、ゆっくりと時間を過ごして雄大な歴史を感じることができるのが魅力。ただし暑い。




3位:ハワイ(サンタ・ロサ県)
 他のグアテマラ観光ガイドでは絶対にランクインしない、独断おススメの海岸リゾート(?)。本当は1位にしたかったがさすがに遠慮して3位に。7~11月は運が良ければウミガメの産卵や子ガメの放流ができる。マングローブ林ツアーもおススメだが蚊は多い。とっても暑い。

 詳しくはこちらを参照→グアテマラの楽園、その名も「ハワイ」 あれから20年~再びグアテマラへ(9)




2位:ネバフ、アクル(キチェ県)
 有名観光地ではないが個人的に気に入っている場所。キチェ県北部のイシル族の住む町で赤色を基調とした美しい民族衣装で知られている。ネバフの市場には常設の民芸品市場もあり、近隣の村の貴重なウィピルが集まり、織物好きにはたまらない。お隣のアクルは山間部の高原で、イタリア伝来のおいしいチーズ「ケソ・チャンコル」を製造している牧場は癒やしスポット。

 アクルは、詳しくはこちらを参照→チーズのふるさと あれから20年~再びグアテマラへ(16)




1位:スニル(ケツアルテナンゴ県)
 堂々の独断1位はこちらも個人的にお気に入りの温泉地。20年前から大好きな場所だったが、今回の滞在で訪れた山中の露天風呂は最高という言葉以外に見当たらない。グアテマラ第2の都市ケツアルテナンゴからはバスで30分ほどで、スニル市内や手前のアルモロンガにも個室風呂がたくさんあるけれど、そこからさらにピックアップトラックに乗って着く露天風呂にぜひ行ってほしい。途中ののどかな農村風景も最高!




ここからは惜しくもランク外、でも訪れてみてほしい場所をいくつかご紹介。

〇サン・フアン・コマラパ(チマルテナンゴ県)
 ベスト10が強敵すぎてランク漏れしたが、個人的にとても好きな場所。赤い線の入った美しい織物で知られ、日曜の市場は歩くだけでも楽しい。画家の町としても知られ、墓地の外壁に描かれたグアテマラの歴史(マヤ創世記から内戦時代のつらい記憶まで)の壁画は一見の価値あり。




〇イシムチェ(チマルテナンゴ県)
 中部にあるマヤ遺跡の一つ。1400年代のカクチケル王国の首都だったが、スペイン人に滅ぼされた。小さな博物館がある。ティカルに比べ規模は小さいが、遺跡が自然な状態で残され、球戯場などもあって興味深い。遺跡奥には今も使われるマヤの祭壇がある。




〇テクパン(チマルテナンゴ県)
 首都から車で1時間ちょっとの高原にある町で、街道沿いにソーセージやチーズで有名でちょっと高級な雰囲気の良いレストランが点在する。「道の駅」プエブロ・レアルはゆっくり滞在するのに良い場所でコーヒーがおいしい。




〇トドス・サントス・クチュマタン(ウエウエテナンゴ県)
 赤を基調とした男性の民族衣装(帽子、シャツ、ズボン、カバンの完全コーディネート!)で有名な北西部の村。ここも織物好きにはたまらない場所。11月1日の「死者の日」に行われる競馬が有名。20年前に競馬を見たが、今回は行けていないので残念ながら選外に。写真はウエウエテナンゴ市の公園で見かけたトドスおじさん、アイスを食べてるだけでも格好良い!




〇スンパンゴ(サカテペケス県)
 普段は静かな村だが11月1日の「死者の日」に行われる大凧(たこ)揚げには大勢の観光客が集まる。

 詳しくはこちらを参照→「死者の日」の凧揚げとアルフォナ あれから20年~再びグアテマラへ(8)




〇セムク・チャンペイ(アルタ・ベラパス県)
 石灰岩でできた階段状の池が連なり、神秘的なエメラルドグリーンの風景が広がる。グアテマラを代表する自然景勝地だが、こちらも20年前に行ったきりで今回は行けていないので申し訳ないが選外に。写真はグアテマラ観光庁(INGUAT)HPより




〇ラチュア湖(アルタ・ベラパス県)
 雄大な景色はアティトラン湖が有名だが、水の透明度はこちらのカルデラ湖が上。カリブ海のような澄んだ水に小さな魚たちが泳いでいる楽園。北部の町コバンからさらに車で3時間のメキシコ国境に近い場所なので行くのが大変。




○エスキプラス(チキムラ県)
 黒いキリスト像で有名なカテドラルがある。巡礼地となっており1月の祭りには中米から何万人も集まるという。20年前に名物とされたド派手な帽子を買って日本に帰ったが、今回行ったら売っていなかった。流行だったのか?




〇トトニカパン(トトニカパン県)
 マヤ先住民が多く暮らす普通の町を体験するならば個人的におススメなのがトトニカパン。中心部は常に大勢の人で活気があり、市場には織物や陶器などもあり楽しい。国内の都市では治安がトップレベルに良いので安心。




〇ケツアルテナンゴ(ケツアルテナンゴ県)
 グアテマラ第2の都市。首都ほど治安が悪くないので歩いて都市生活を楽しめる。おいしいレストランも多く、中央公園横の地ビールが飲めるバーはお勧め。地元のパン屋さん「シェラパン」のクリームパンもおいしい。




〇グアテマラ市(グアテマラ県)
 首都にも面白い場所はあるのだが、あまりに治安が悪いのでスルーする観光客が多い。旧市街の中央公園・国家宮殿は一見の価値ありで、隣の中央市場(メルカド・セントラル)は規模も大きく、民芸品も豊富で比較的安いのでお勧め。市場内は治安も良い。イシュチェル民族衣装博物館、ポポル・ブフ博物館は私立フランシスコ・マロキン大学内にあるので安心してゆっくりできる。おいしいレストランも多いが、とにかく移動時の安全は要注意。



 グアテマラにはこの他にも文化的な見どころや自然景勝地がたくさんあります。日本からは遠いですが、いつか機会があればぜひ来て見てください~

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