十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年7月号

特集/夏本番!旨辛メニュー

キックバイクから自転車へ~あのね、こどもはね(16)青木謙介氏

初めて自転車にチャレンジした子ども

 公園の木々は緑を増し、たくさんの花々が美しい季節になってきました。このタイミングで自転車デビューを考えているご家庭も多いと思います。自転車は幼児期に必要な動きの「こぐ」に該当し、身に付けておきたい動作の一つです。しかし、自転車に乗れるようになるためには、何回も転んでは立ち上がり、時間をかけて練習しなければいけないですよね。子どもは痛がり、泣いて途中で「やめたい」と言うのだろうと思うと悩みますよね。実は、それは一昔前の話。今は簡単に乗れる方法があるのです。

 まずは、ペダルのないキックバイクからスタートします。このキックバイクは2歳からでも乗ることが可能です。対象年齢を確認してから購入してください。キックバイクはサドルにおしりを付けた状態で、地面を足で蹴って前に進みます。キック時に両足が地面から離れた状態が長くなってきた時が、次のステップに進むタイミングです。外遊びが大好きな子どもであれば、5歳くらいから自転車の練習へ移行できると思います。無理に早い年齢から行うことはせず、筋力やバランス能力などが十分付いてからが良いと思います。

 初めての自転車はなるべく小さい自転車がよいです。自転車が大きくて重いと、子どものこぐ力が弱いため前に進みません。お薦めはペダルを後付けできるキックバイク。新たに買い直さなくても済みます。最初はこぎ始める時だけ後ろからサポートをしてあげてください。1時間もあれば乗ることができると思います。一番難しいのが、止まっている段階からこぎ始めるところです。何日かすれば前に進めながら、こぎ始めることができるようになっていきます。

 最後に、十勝に来て驚いたことがあります。自転車のヘルメット着用率が低いことです。私が住んでいた愛媛県では高校生までは必ず着用して、大人も多くが身に着けていました。命や頭部外傷を守るためにも、必ずヘルメットを着用して自転車を楽しみましょう。(青木謙介)


<あおき・けんすけ>
 帯広大谷短期大学社会福祉科子ども福祉専攻教授(専攻長)、保育士、日本スポーツ協会アスレティックトレーナー、鍼灸(しんきゅう)師、健康運動指導士。専門はスポーツ医学、幼児体育学、発育発達学。筑波大学大学院出身。環太平洋大学、聖カタリナ大学を経て2023年から現職。短大の仕事のほか、全国高校総体や国民スポーツ大会などにトレーナー帯同している。