十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年12月号

特集/心温まる贈り物

運動を組み合わせて遊びに~あのね、こどもはね(22)青木謙介氏

バランスディスクを用いた片足立ちと壁倒立のサーキット運動(一部を加工しています)

 寒くなってきたこの時期は、子どもたちが家で体を動かすことも多いと思います。そんな時期にお薦めなのは、何種類かの運動を組み合わせたサーキット運動遊びです。子どもの時期に多様な動きをしておくと、運動能力が高くなります。幼児期の運動プログラムの在り方とその指導方法を研究する、愛知教育大学の内田智子氏らの研究(2018年)によると、幼児の運動能力(走る力、跳ぶ力)は自由遊びより、サーキット運動やラダー運動(はしご状の運動器具)で高くなったと報告されています。

 サーキット運動は狭いスペースでもできるため、寒い日や天候が悪い日でも遊ぶことができます。小学生であれば、動きが活発なのでカースペースなどで縄跳びとラダー運動、得意な種目(サッカーのリフティング、バットでの素振り、バスケットボール回し)などを組み合わせると良いでしょう。特に寒い季節は心拍数を上げることができる種目を一つ以上入れると良いと思います。縄跳び運動は骨の成長にも良い影響を与えて、省スペースでできるため、外で行う場合はベストです。また、室内では動きが少ない種目を中心にしないと、家の中が大変になると思います。その場合は体操系やバランス系の組み合わせがお薦めです。布団で前・後転、壁倒立またはブリッジ、バランスディスクなどを用いた片足立ちを行うと良いでしょう。

 幼児の室内サーキット遊びであれば、ゴムボールでパス&キャッチ、高さのあるものを三つほど置いて連続ジャンプ、布団ででんぐり返しや横にゴロゴロなんかがお薦めです。3種目とも異なる動きの種目を入れてください。幼児の場合はバランスがとりにくいため、けがに注意が必要です。回転系の種目は最後に行うと良いでしょう。部屋の中を1周すると3、4種目ができるように配置して行うことができれば、幼児は飽きずに楽しんでくれると思います。(青木謙介)


<あおき・けんすけ>
 帯広大谷短期大学社会福祉科子ども福祉専攻教授(専攻長)、保育士、日本スポーツ協会アスレティックトレーナー、鍼灸(しんきゅう)師、健康運動指導士。専門はスポーツ医学、幼児体育学、発育発達学。筑波大学大学院出身。環太平洋大学、聖カタリナ大学を経て2023年から現職。短大の仕事のほか、全国高校総体や国民スポーツ大会などにトレーナー帯同している。